内容説明
ため息がでるほど美しい本、一生手もとにおいておきたい本、何度でもページをひらいてみたい本。現代の書物からは失われてしまったフレッシュな想像力と美意識にあふれた「美しい本(ブックス・ビューティフル)」の歴史を、豪華な図版を駆使して、本にとっての挿絵の絵味を考える。1巻では、挿絵という試みが本格的に始まる一八世紀から、挿絵本の一大「黄金期」一九世紀半ばまでのまばゆく「光り輝く」挿絵本を紹介。
目次
近代イラストレーションのはじまり(フランス銅版画入り書物と万意紋章本;フランスのカラープリント挿絵;天使だけが身にまとう夢の中のファッション)
挿絵本の発展と大衆化(ロマン派と風景画集;トマス・ビュイックと木口木版挿絵の流行;子供の絵本と妖精の絵本;『ポールとヴィルジニ』にみる時代潮流;ギュスターヴ・ドレの世紀;イギリス文芸雑誌のデザイン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
72
1400年代から1800年に至る数々の美しい本のガイドブック。特にドラクロアの挿絵のファウストが良い。シュールな幻想画家のエリナー・ヴェレ・ボイルやシュールリアリズムの先駆とも言われるグランヴィルも好み。パート2も楽しみ♪2015/08/14
123456789wanko
3
この本を読まなければ、古書収集に手を出すこともなかったでしょう。あんな本やこんな本がお金さえ出せば買えるということを知ってしまった、禁断の書物。2011/04/25
田蛙澄
1
18世紀から19世紀末にかけての挿絵の歴史が、それ以前の中世の本のイルミネーションなどの流れから遡って描かれており大変興味深かった。個人的にはドイルの妖精画やモローの幻想的な版画が気に入った。ただ、メゾティントやアクアティント、リトグラフ、木口木版といった版画の技法があまり詳細な説明なしに頻出するのでいちいち調べなければならず、それはそれで楽しいのだが、できれば注が欲しいところだった。ただ、多くの挿絵が詳しい説明と共にカラー印刷されているのは大変きらびやかで素晴らしかった。2015/05/14
小林ミノリ
1
絵のある本の歴史、印刷技術の進歩と、イマジネーションの進化、18世紀から19世紀半ばにかけて花開いた、挿絵本の黄金時代の輝きをここに再現、まさに目玉の極楽、古書蒐集者の煉獄。