出版社内容情報
「笠地蔵」「手の目」「モウリョウ」「コマ妖怪」「さざえ鬼」「ばけ猫」「ひでり神」「雪ん子」「げた合戦」「姑獲鳥」「穴ぐら入道」「妖怪関ケ原」他。
【解説: 南伸坊 】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomi
25
全16篇。京極作品で知られる「姑獲鳥」「魍魎」「邪魅」をはじめ様々な妖怪が登場。「さざえ鬼」では鬼太郎がプレスされた上、切り刻まれて食べられても復活、というまたも不死身ぶりを発揮する。他にも、轢かれた猫たちの亡霊により怪事件が頻発する「ばけ猫」、霞が関ビルの地下駐車場の建設に妖狐が怒り、事故が起きる「天狐」などを収録。ところで鬼太郎のパン泥棒の疑いは晴れたが(「妖怪大統領」)、新聞に大々的に載った銀行強盗の嫌疑は晴れたのだろうか?(「妖怪関ケ原」)2022/02/17
忽那惟次郎8世
9
「モウリョウ」の話では、ねずみ男が鬼太郎を「鬼太ちゃん」(きたちゃん)と愛称で呼ぶのが面白い。「天狐(てんこ)」の話では霞ヶ関ビルが登場する 時代・世相を反映しているが、霞ヶ関ビルの地下駐車場建設に多数の死者が出るなどのストーリーは・・大丈夫なんだろうか、実際の企業名を出してしまって・・・・と現代の視点で考えてしまう。 それから鬼太郎の指鉄砲 サイボーグ009(004)みたいな技が登場するのも面白い これも当時の他の漫画の影響だろう。サイボーグ009の影響か? 2021/07/22
袖崎いたる
4
この作品は妖怪は死なないという構えだけれど、作中の「やっつけた」「退治した」をどう受け止めれば快適なのかに混乱するときがある。前の巻辺りで、西洋妖怪たちとの戦いで「こなきじじい」や「すなかけばばあ」がやられてしまったというようなことになったのだが、その後何事もなかったかのように登場してる。これは要するに、妖怪は死なないという設定があり、エピソードにはその都度妖怪が登場するが、そのエピソード内では「やられて」しまってもいいような、作品の設定の一貫性のみが同一性として通底しているのだ、と見ればいいのかしらね。2015/06/09
えふのらん
2
マッドマックスもといチキチキさながらのレースを展開する妖怪ラリー収録巻。ガソリンの抜き合いで勝負したかと思えば毛沢東語録片手にわき見運転する水虎が出てきたりと少年誌と水木しげるらしさが結実した一編。一方、やくざが土地開発のために入道を冷蔵庫に監禁しようとする穴ぐら入道と霞ヶ関の地下工事が狐の国に達する天狐はそういった誇張はなく、若干風刺ががっていていることもあって墓場の方を髣髴とさせる。傘地蔵をゲゲゲ風に語り直した一編と雪女、雪男、雪ん子が北海道に集結する雪ん子は土着感があってよかった。この感はまとまりが2024/02/11
ほし
2
何というか、今時のポピュラーな漫画にはないシリアスに似た感じを受けるんだよね。読み終えた後にくる孤独感は半端ないや2017/01/03
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