出版社内容情報
「手」「水虎」「吸血木」「妖怪大戦争」「大海獣」「吸血鬼エリート」の6篇収録。
【解説: 佐野史郎 】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomi
29
お馴染みの妖怪たちが勢揃いする「妖怪大戦争」など6篇。この巻は水木版ゴジラの趣きの「大怪獣」と「吸血鬼エリート」という長めの作品も収録されている。吸血鬼ネタでは、怪奇色の強い「手」と鬼太郎が木に変身させられる「吸血木」も収録。後者の2篇のほうが好み。このシリーズは大風呂敷を広げた作品よりも小品のほうが合っていると思う。2021/10/25
国士舘大学そっくりおじさん・寺
11
楽しかったが、藤子・F・不二雄の短編集の後に読むと、つくづく水木さんの漫画は説明が多いと思う。独特の絵の魅力と、会話や擬音の妙は満喫。西洋の妖怪退治の為に、新聞に広告を出して日本妖怪を集める発想が水木さんらしい。所々つげ義春の絵が見える。吸血鬼エリートは気持ち悪い。解説は佐野史郎。2012/03/22
忽那惟次郎8世
10
妖怪大戦争という仰々しタイトルの割には西欧の妖怪3〜4に対して日本の妖怪はテストに合格した4人(対象にはオバQもいた)で、メンバーは子なきじじいやすなかけばばあで いつものメンバー テストの意味を疑う。 「大海獣」では日本学術会議が登場する 内容はどう考えてもゴジラ対メカゴジラ 政府が大海獣の駆除を学術会議に依頼し 原爆を投下してかたずけるという どんでもないストーリー 日本に核爆弾があるのか!と それから天才少年科学者の山田秀一が心根の美しい妹と住む家が庶民の木造家屋 きっと苦学したのであろう 2021/06/20
T.Y.
8
日本妖怪達を集めて西洋妖怪の軍団と戦う表題作の他、「手」「吸血鬼エリート」等吸血鬼ネタが多いが、そうしたドラキュラ伯爵イメージの吸血鬼の中で「吸血木」というバイオホラー的発想の一篇が印象的(6期アニメ第1話)。怪獣物を意識した「大海獣」は作中でも妖怪とは呼ばれないUMAが主題(しかもメインは本物でなく大海獣にされた鬼太郎の方で、巨大ロボットまで出る飛ばし具合)だが伝承にもUMA的な妖怪はいるのでこれもアリか。あらゆる目に遭って復活する鬼太郎の生命力、そんな彼を追い詰める状況のせめぎ合いが本作の軸なのかも。2018/04/03
袖崎いたる
4
この巻では前身作である『墓場鬼太郎』でのエピソードを下敷きにしている話が見受けられた。そのいずれもが、前身作における毒は子供向けに抜かれていて、正義は貴しという感じになっている。擦れた大人は『墓場鬼太郎』の方が好ましいかもしれない。ところで前身作でも『ゲゲゲの鬼太郎』でもなんやかや親子愛が底意している。ところどころで煌めく親の子への思慕が溢れるセリフが見られる。今作では「親は子が木になっても生きていればうれしいものだ」が個人的にピカイチであった。愛情というものは偉大な人間賛歌なのだと改めて思い知った。2015/06/04
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