内容説明
父と子が、会話を通して童話をつくることになった。父親にとってこれは意外にむずかしいことだ。どうやら「頭の固さ」のせいらしい。けれども度を重ねるごとに考え方が少しずつ変化してゆく。童話をつくろうとすることを通して、固定的な物の見方や、何が正してく何がまちがっているかということについてのとらえ方をたしかめてゆく、「柔軟な思考」へとみちびく本。
目次
1 父さん、童話を、語ろうとして…
2 童話は終りが問題じゃない
3 声は消しゴムで消せない
4 ナンセンスに意味はある?
5 ナンセンスのセンス
6 おじいさんのパナマ帽
7 お父さんの夢
8 ヤマト・ダマス君の話
9 父さん、皮肉なお話は?
10 お父さんのカメラ
11 バビブのベボとはなにか
12 針を棒ほど
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
joyjoy
9
原題は「童話ごっこ」。大心理学者の提案で「父が子に童話を語り聞かせる運動」が始まって…。太郎くんと父さんの、立場が逆転してしまったようなやりとりが愉快。そして、気負うばかりでなかなか語れなかった父さんが、太郎くんとの童話ごっこを重ねるうちに少しずつ変わっていき、だんだんと楽しむようになっていく様子が微笑ましい。軽妙でありながら、所々でむむむ?と考えさせられる、なだいなださんらしい語り口。佐々木マキさんのちょこっとイラストも味がある。 現実はナンセンスだらけ。ナンセンスのセンスを磨くべし。2023/06/24