ちくま文庫<br> 完本情熱のペンギンごはん

ちくま文庫
完本情熱のペンギンごはん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 176p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480027580
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

猫丸

13
崩落した本の下から出てきた1993年刊。書斎に猫を入れられないのは、崖崩れによる遭難を危惧するためである。ところが近頃じぶんでドアを開けて侵入する技術を身につけたから、やむなくクイックルワイパーの柄の部分を用いてドアの取っ手が回転しないように防衛している。本の感想も少し。糸井さんの言語感覚を育んだ事情はわからないにしても、やはり言葉に対する身体的反応力は一級なのだな。いくら微温的文化人に成り下がろうとも、これは認めざるを得ない。2020/11/24

サイバーパンツ

3
湯村輝彦の描く谷岡ヤスジ的なゲバゲバマッチョにズルムケのちんこを生やしたペンギンは、ホームドラマという茶番に石をぶつけるが、それはあくまでまんがのコマの中での話で、活動の場がなく孤独にごはんを食べるペンギンを、そのごはんこそが情熱なんだと、ヘンタイよいこ新聞によってゲームの盤上へと引き上げた糸井重里は、一見やさしいMotherのようだが、実は母を演じる父権的な管理人(プレひろゆき)として、戦後民主主義という物語を市井のことば・感性の力でぶっ壊し、ゲームを書き換えようとした紛れもない全共闘だったのである。2021/12/26

wknwkn

3
友達に、なんかこれがへたうまのはしりらしいよ、と聞いて読んでみました。エログロナンセンスでまさにガロって感じ。かわいいやつが残忍なことするのすき。2015/11/29

○○○ ○○

2
今や完全に手帳を信者に売りつけるおじさんと化した糸井重里が、かつて中核派の学生でゲバ棒振り回してたんだろうということを思い出させてくれる貴重な作品。戦後民主主義的ホームドラマは主題だけでひたすら空転し、登場人物はクソと脳髄まき散らしながらセックスに励み、暴力的に下手くそな湯村輝彦の漫画がそれを下支えする。メッセージがある、というメッセージが露悪的に指し示すメッセージがないということ。白黒のペンギンの下半身には真っ赤なペニスが無意味に屹立しているのだ。そしてみんな「こーゆーのが好き」だったりするんだ、実は。2015/07/03

Edo Valens

2
下腹部に赤いシンボルを抱えた、暴力的なペンギン達が大活躍したり、逆に人間達にいいように扱われたり。人間達の記憶に残るのはどちらのペンギン達であろうか。本書には色んなペンギン達が出てきて、ペンギンの姿をしたペンギンを基本に、蕩けて輪郭があやふやになったようなペンギンや、半人半鳥のムキムキペンギンなども現れる。それぞれに、特徴的な仕方で人間社会に関わってゆく。このような部分を社会学的に読み解こうとしてみるのも良いだろうし、コマ全体に細かく、勢いよく描かれた絵を眺めてペンギンの世界に浸るのも楽しい。2015/07/01

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