内容説明
なぜ、こんなにも心惹かれるのか。ふたりの鬼才が競馬の神髄を思うさま語り合った、幻の名対談。
目次
1 競馬論
2 牧場調教
3 文化としての競馬
4 騎手論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lonesome
32
寺山修司と虫明亜呂無のとても豪華な対談集。解説まで野平祐二でこれまた豪華だ。今からおよそ50年弱前の対談なので当時の競馬は勿論リアルタイムでは見ていないけれど、シンザンやセントライトなど今でもレースの冠に名前の残る名馬や後に調教師として名を馳せることになる騎手の話題が出てきて、確かに時代は流れているけれど競馬という歴史は確実に引き継がれているものだと感じる。そして、そんな後世に名を残した馬やホースマンだけではなく、二人の愛した馬や人への思いは時代に関係なく今でも変わらず胸を熱くする。2014/11/14
紫羊
25
本著で語られている競走馬たちや彼らの名勝負は、私が物心つく前のものだった。それでも昭和生まれの競馬好きには堪えられない対談だった。文士の語る競馬は彼らの作風同様の味わいがある。「単勝の思想」なんて思わず膝を叩きたくなるほど。良い本に出会えて幸せだ。迷わず永久保存本棚へ。2024/02/04
だーぼう
23
どこで買ったのかも大事。ずっと「名物かまど」の歌が頭の中をリフレインしてた。お店はそのまん前に。ブログに感想を書きました。2014/08/17
funa1g
4
69年刊行の対談本の93年の文庫化。競馬の単勝というのは、英雄の思想なんだという話から始まり、二人の競馬狂いの知識人二人が、競馬からあらゆることを語り出す。ほとんど狂気の沙汰なのだが、それゆえに面白い。SFファンとしても面白い思考実験や「 科学から空想へ」の思考など刺激的だった。血統の話でどうしても入ってきてしまう、優生学的な話がさほど留保なく語られていたのは、時代だろうか。もちろん競馬ファンとしては、半世紀以上前の伝説のような馬や騎手たちについての生き生きとした語りも魅力的だった。2024/05/11
メイロング
4
二人の馬の愛し方は今では難しいのかもしれない。「なぜこの馬がすばらしいのか」を人に語る時、どうしても血統の話になってしまう。その馬の歴史というか、ドラマというか、そのあたりを知る手段がほとんどないのが寂しい。だから、この二人の話を聞いていると、馬を楽しむための情報の豊かさに、うらやましさがこみあげてくる。私は馬を応援するときは、まず名前のおもしろさで選んでいます。2012/04/05
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