内容説明
少年の頃、夢中で駆けまわった裏町裏通り、横丁や小路。ベーゴマやちゃんばらに明けくれた。しかし、そこは玉の井、大人の町、ちらりちらりと大人の世界がかいま見える。その町も今はなく、ただただ夢、幻として想うばかり…。少年時代に育った懐しい町を絵とエッセイで描き出す。
目次
幻の町よ…
スマ子のいる酒場
豆腐屋の朝
山が消えた…
ほつれ髪
暖簾
月明かりの二人
雨の三番館
火葬場の気分
煙管の主
お下げの花ちゃん〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
駄目男
14
パ~フ~、 パ~フ~、と自転車で回って来る豆腐屋さんもいつしか姿を消し、サオヤ~ァ、サオダケ~と言って竿を売りに来るオジサンの姿もありまあせん。チャルメラの音もなく、以前、住んで居た所では車で来るロバのパン屋さんなんかも来ていましたが、こちらでは見かけません。子供時代にはキセルの掃除屋さんも居まして、父に命じられキセルを持って追っかけたものでした。然し、今やキセルを見かけるのも鬼平犯科帳の長谷川平蔵さまぐらいのものです。古き良き昭和を描かせたら随一という滝田ゆうさんも、2020/08/05
moonanddai
9
元本が1980年刊ですので、まだ倒られる前のお元気な時もので、相変わらずハチャメチャな文章で…W。考えてみると亡くなられたのが58歳の時とすれば、新宿で同じ空気を吸ってた時はまだ40歳代だったのですね。あのような風貌の方なので、もっと「オッサン」かと思っていました(失礼)。私の一世代上ではあるのですが、町の雰囲気や人情みたいなものは(地方都市では)まだまだ引きずっていました。汚い話ですが「汲み取り」だの「石灰」だの、思い出しますW。2019/01/26
りえぞう
1
◎。文庫版だとちょっと小さすぎかな2019/08/23