内容説明
明治・大正・昭和の三代を生き抜いたスケールの大きな奇人・宮武外骨。彼の桁外れな全生涯を自身の文章によって編年体で構成した自叙伝。
目次
序章 予は危険人物なり
第1章 偉大なる狂人の幼少年時代
第2章 鉄窓に秋月を見ること3年
第3章 肝癪を経とし色気を緯とす
第4章 確定罪人が無罪人と成る
第5章 我は金毘羅大権現の再来なり
第6章 予は断乎「姓氏」を廃棄せり
第7章 自家性的犠牲史
第8章 天下無類明治文庫の要人
終章 予戯れに「半米人」と称す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポレ
7
宮武外骨晩年の念願だった自叙伝を、著述から抜粋し構築する試み。急進的平等主義だった青年期、筆禍事件により入獄した獄中記、女性遍歴を綴った自家性的犠牲史など、外骨エッセンスが満載である。筑摩書房から出版された吉野孝雄による外骨評伝の三作目に当たる。大正デモクラシーの中心人物だった吉野作造は、なぜ外骨のような人物を懇意にするのかと問われ、「キミは外骨クンの性格を知らない誤解者である、世間に偽善者は多いが、外骨クンは偽悪者である」と諭した。端的に外骨の性格を表した名評だと思う。2018/01/07
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