内容説明
あなたを誘う、めくるめく心理の迷宮。狂気の美。20世紀文学最大の“奇書”「ドグラ・マグラ」を完全翻刻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やまかぶ
23
『ドグラ・マグラ』が一冊に丸々収録されている。自身のことが全く思い出せない青年とともに、その正体と謎を読者も共に探っていく物語。第一関門であるキチガイ地獄外道祭文は、啓蒙&精神病院の実体をディスっている和製ラップと捉え、割合楽しく読めた。続く、作中に登場する医師の、ちょっと眉唾な、しかし説得力のある論文も面白い。いよいよ事実が煙に巻かれ行きつ戻りつする後半に疲労困憊、読み進めながら、全ては胎児の夢の如く、終わりから始まりへと閉じていく。こんな作品をこの時代によくぞ書いたと思う。2016/02/24
いりあ
10
ちくま文庫から刊行されている夢野久作全集の第9巻。著者が、構想・執筆に10年以上の歳月をかけた日本探偵小説三大奇書の一つ「ドグラ・マグラ」です。「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」と言われていますが、精神に異常はきたさないですが、何を読んでいるのか分からなくなる瞬間はありました。言葉の迷宮に迷い込んだ気分です。ただ、日本語の面白さを感じることの出来る文章です。1935年発表の作品ですが、むしろゼロ年代にあってもおかしくない作品なのではないかと感じました。2021/03/14
イボンヌ
8
文字の洪水でしたが、なんとか読み終る。20年かけ、ノート18冊を基に書くという情熱に圧倒されます。もう一度読まないと全貌がつかめそうにない。2016/10/18
ganari
8
1935年。難解な言葉遣いも多用されているため、全体像を把握することで精一杯だった。この分厚い本の中で、あらゆる循環が行なわれていることに気づく。私は何者かという哲学の反復、輪廻転生による血の伝承、学術的認識論における物質論から精神論への回帰など。これは強烈なイデオロギー的思想を暴露した小説でもあり得るし、空想の世界を冒険するトムソーヤともいえるだろう。運命予定説の一種なのかもしれない。危険な小説だった。2013/10/13
弥三郎
6
ドグラ・マグラとは「堂廻り、目眩み」が訛ったものであるらしい。本作が難解だとされるのは、本作が堂々巡りの入れ子構造になっているからであろう。 作中においては『ドグラ・マグラ』なる文献が存在し、主人公は自身の正体を探るためこの文献を手にすることになる。そこには例の巻頭歌と共に、記憶を失った青年の精神病棟での記録が記載されている。これは本作と読者との関係にパラレルであると言えるだろう。 ……と言うことは、つまり、 ……なる程、これが脳髄の地獄か。2024/08/08
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