内容説明
ニューヨーク発、わかりやすい写真論。光の鉛筆=写真はこうしてつくられる。平明にかつ刺激的に解き明かす映像の現代。
目次
読者へのメッセージ
1 現代写真のルーツ、ロバート・フランクとウィリアム・クライン
2 1960年代を代表するコンテンポラリー・フォトグラファーズ
3 写真と美術の境界線から生まれたコンセプチュアル・フォトグラフ
4 生治の根にまなざしをむけた70年代の写真
5 カラーによるニュー・アメリカン・シーン
ヤングロマンティックス
6 ニュー・ウェーヴの鮮烈な衝撃
ニュー・ウェーヴの先駆者たち
ニュー・ウェーヴの多様化
7 1980年代後半の写真を考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
73
1958年から1980年代までのアメリカ現代写真の流れが分かる本。美術にも造詣が深い著者の「精神的なものと物質的なもののアンビバレンツな共存は、美術にかぎらず芸術全般にわたって脈々と現代まで流れるアメリカ芸術の原点ではある。」と言い切っているところが良い。初めてカラー写真を確立したスティーヴン・ショア(どこにでもある風景なのにその写真上にしか存在しないような風景)、人形達の中にひとり人間を加えたり燃え上がる火があったりする不思議な効果のベルナール・フォーコンなどが印象に残る。2019/05/24