内容説明
美と愛の女神アプロディーテーが娘ハルモニアーの結婚祝いに贈ったのは、あらがいがたい欲望をかきたてる、魔法の頸飾りだった。妖しい光を放つ頸飾りはその後身につけた者すべての欲望をかきたて、数々の悲しみをもたらしてゆく。そして、テーバイの都にも禍いがふりかかっていくのだった―。ギリシア神話の中でも名高いテーバイの英雄伝説を簡潔で美しい文体で描いた名作。本文庫のための初訳。
目次
第1章 イーオーの物語
第2章 エウローペーの誘拐
第3章 カドモスとハルモニアーの結婚
第4章 ディオニューソスの誕生
第5章 ディオニューソスの帰還
第6章 アムピーオーンとゼートスの技くらべ
第7章 オイディプースの宿命
第8章 テーバイを攻める七将
第9章 アンティゴネーの悲劇
第10章 ハルモニアーの頸飾り