ちくま文庫<br> ケルト民話集

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ちくま文庫
ケルト民話集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480025647
  • NDC分類 388.33
  • Cコード C0197

内容説明

謎の女性作家が紡ぎ出した、スコットランドケルトの、想像力と魔法とロマンス溢れる物語。満ち潮のとき静かな狂気に身をまかす〈罪を喰う人〉、生者と死者の間で太古の呪文を唱える巫女、悲しみの岩の影で不死の愛を誓い合う恋人たち。よるべない荒涼とした小島イオナを舞台にくり広げられる、ケルト的な哀しみのすべて。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あたびー

26
#日本怪奇幻想読者クラブ 訳者荒俣先生の解説によれば、フィオナ・マクラウドは代理人と称していたウィリアム・シャープその人の「魔術名」であったことが死後判明したというからなんともオカルティック。一度その魔術名を使えば自動筆記のようにスラスラとケルトの挽歌を紡ぎ出すとか。スコットランド人は発狂して死にたがっているのだそうな。確かにアイルランドの民話では悲劇にもちょっぴりコメディタッチがあった気がするが、スコットランドは陰鬱で重苦しく、救われない気持ちになる。しかしこれは讃歌なのだ、きっと。2020/03/15

nagatori(ちゅり)。

20
ここ数日暑かったので、ここは一つスコットランドケルトの話でも読んで涼もうかなと思ったんです。が。忘れてた、このドギツイまでの暗さ、重さ、狂気。これはスコットランドならではのものなのか、それともフィオナ・マクラウドの創作部分がそもそもこんな風合いなのか。納涼を通り越して、寒い。最後の荒俣さんの淡々とした解説で少し温められて復活しました。ありがとう荒俣さん。2020/05/05

木賊

13
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ケルト文化復興運動の時期に描かれた、スコットランド・ケルトの民話集。実際にこのような話が伝わっているのか、ケルト的要素を詰め込んだ創作という事なのか、よく分からない。全体的に昏く、死に向かう狂気が感じられる。個人的には『罪を喰う人』が凄いと思った。これらの物語を生み出すに至ったケルトの文化や歴史について、或いは作者や復興運動について、もっとちゃんと知りたい。荒俣宏による解説は大変助かる。2018/08/22

redbaron

11
なんとも言えない昏さがたまらなく癖になるかも。読まれる方は心して読みましょう。灰色に染まる空に薄日が差すが、常に風は吹きすさび、海は荒れ…ヒトに厳しい自然の中で育つ民話は、かくも厳しいのかしらん。ケルトにもいろいろあるのね。違ったケルト民話も読んでみたい。2016/04/11

おりすと

7
幻想的でかつ仄暗い、そんなゲール人達の民話が蒐められた一冊。自由な恋の叶わぬ姫と英雄の悲恋譚、海の恐ろしさに纏わる伝承、旅人を呪いの犠牲にする風習などの話がが印象的で、どれもが死や狂気の要素を孕んだ物語となっています。こんなにも暗澹とした民話集が、それでいて当時スコットランドの国民独立運動においてどの様な役割を果たしたのか、という荒俣宏氏の解説も興味深いです。オカルティズムが大きな力を持っていた十九世紀末のファンタジーにも思いを馳せながら。2017/08/11

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