ちくま文庫<br> リトル・ドリット〈3〉

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ちくま文庫
リトル・ドリット〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 409p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480025234
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

莫大な財産と自由を手に入れたウィリアム・ドリットとその家族は、何人かの女中と従者をつれて豪華な旅へと出発する。監獄暮らしを思い出させ、暗い影をおびたロンドンから明るい陽光ふりそそぐイタリアへ。宮殿への宿泊、上流社交界での晩饗会…。環境の変化に適応出来ないリトル・ドリットは、とまどいや不安わアーサー・クレナムへの手紙で切々と訴える。ドリット一家に訪れる幸せとは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

98
リトル・ドリットはとても家族思いで働き者なのに、なぜかあまり感情移入ができない。なぜここまで無私に家族のために生きられるのだろうか。とても働き者の母親にどうしようもない息子が育ったりするが、尽くすこと=善である=甘やかすこと、になってしまい、相手をダメにするのではないかと彼女を見ていて思う。さて、いよいよあと一巻。父と叔父が去ったことは、彼女には吉と出るのであろうか。2016/01/29

のっち♬

96
遺産相続で出獄したドリット一家は外国旅行に出る。登場人物が合流してスペクタクルの奥行きが増す3巻。リゴーの描き方に表徴されるように本作は絶対悪をフォーカスしない、"Nobody's Fault"という当初の題名に窺えるように著者は社会問題を勧善懲悪で切る限界をかなり前から認識していたと思う。家を取り仕切ることが生き甲斐だったエイミーは監獄にいるような不安感。それは"マーシャルシーの父"から脱却できなかったウィリアムによりグロテスクな形で描かれている。いつの時代も自分が囚われていることを知るのは大切な一歩。2018/06/02

NAO

33
ドリット家の、父、姉、兄は新しい環境にすぐ慣れ新生活を満喫するが、叔父のフレデリックとリトル・ドリットはいつまでも新しい生活になじめない。家族はそんなリトル・ドリットをなじり厄介者のように扱う。それに対する叔父フレデリックの言葉は、ディケンズの怒りそのものだ。ドリット一家だけでなく、複雑に絡んだ人間関係がさらにややこしくなっていくのは、ディケンスの話ではいつものこと。幸せになってほしい女性たちの前途には、なぜか暗い影しか見えない。ラストが明るく終わることを願いつつ4巻へ。2015/11/29

ごへいもち

13
笑っていたのがなんだかなぁ。悲しくなってきた2012/05/17

秋良

11
【G1000】資産家になった途端に横柄になってしまったドリット一家と、豊かな生活や華やかな社交界に馴染めないリトル・ドリット。貧乏だったコンプレックスの裏返しに傲慢な態度をとったり、攻撃的になるところがリアルで人間くさい。ただこの家族がリトル・ドリットの献身に値するとはとても思えず、不運に見舞われても全く同情できない。だんだん登場人物の思惑が絡み合い、どんな結末になるのかよく分からなくなってきた。2022/07/17

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