内容説明
「由来ぼくの最も嫌いなものは、善意と純情との二つにきる。」…歯切れのいい書き出しで始まる「悪人礼賛」をはじめ、中野好夫のエッセイの粋を、一冊に編んだ本。骨太で柔軟な人生論・生死観を語った第一部「悪人礼賛」、時代を越えて、なお揺るがない政治・社会への発言をまとめた第二部「自由主義者の哄笑」の二部構成で、中野好夫の人と思想を紹介する。
目次
1 悪人礼賛(私の信条;至上の願い;丸もうけの余生;チャタレー判決笑話;死について;私の遺書;死について ほか)
2 自由主義者の哄笑(歴史に学ぶ;若い人々のために;文学者の政治的発言;自由主義者の哄笑;平和論の憂鬱;自衛隊に関する試行的提案;マーク・トウェインの戦争批判 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
15
いいこと書いてる。問題は一般受けしないことだな。一般受けしないとゴミだからな。これが資本主義だ。資本主義万歳!民主主義は衆愚政治に陥るっていうけど、まだ私には答えが出ていない。だからまーこうして一般受けしていない本が好きなんだろう。この人面白い。エッセイだから適当に読んでそれで終わりなのがつらい。最近時間がない。時間は作るものであるから、余裕がない。あるいはやる気がない。ただそれだけの話さ。2017/11/02
すずき
1
モームが好きときたら読んでもいいかと思い。第一部の方が興味深く読めるのは他の感想にもある通りだが、時論の第二部もなかなか興味深い。戦後の知識人の言論の一端が伺える。与えられた自由というものに対する葛藤や、反動という言葉の意味についてなど考えるきっかけとなった。2022/10/10
わがまま娘
1
悪人なのを開き直んな!と思うが、行動原理わかんない人が怖いのはすごいわかる2021/08/16
unterwelt
1
第1部、第2部と別れており、自身の人生観、死生観を書いた第1部「悪人礼賛」は面白かったが、社会論や時事論の第2部「自由主義者の哄笑」は時代背景がつかめないこともあり最後の方はかなり飛ばして読んでしまった。ただ第1部の表題のエッセイは正義や善意の名のもとの行動(暴動?)が良しとされている今の時代にも通じるものがあるし、「大学教授始末記」も面白い。あと危機の時代になると進歩や資本主義否定に走るのは、どの時代の知識人も共通なのかと思ったり(今の時代に知識人がいるかはともかく)。2020/09/20
リンゴ
1
思ったよりなぜか話の流れがつまんなくて後半は飽きてしまいました。。。2020/01/13