内容説明
静かなアトリエを求めて八ヶ岳山麓に移り住んだ一人の絵描きは、いつしか四季折々のきのこのとりこになってしまっていた。華奢で美しい色のウラムラサキ,恐しい毒で人を地獄に落とすドクササコ、名前がかわいそうなバカマツタケ…。42種のきのこをめぐるエッセイと美しいスケッチ。絵描きならではのまなざしが、きのこの新たな魅力をひきだし、山歩きをしたくなる1冊。カラー多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
3
春夏秋冬、42種類のキノコを描いたエッセイ。解説は種村季弘。「有毒のベニテングダケは、食タケのタマゴタケによく似ている。深紅色の傘表面に根元のツボがちぎれ、白色のイボイボがつくのがベニテングダケ。タマゴタケにイボはない。ヒダや柄、ツバがベニテングダケでは白色であるのに、タマゴタケは橙黄〜橙紅色である。昔からベニテングダケは、猛毒菌の代表のように考えられてきた。それだけに、手を触れることさえちゅうちょする。キノコ狩りで一度でもこのキノコに出会った人は、そんなおぼえがあるのではないか。」2025/03/08
メイロング
1
きのこの世界で有名な本、だと思う。カタカナ名に漢字名を並べてくれるだけで、こんなにも身近に感じる。きのこを通して、八ヶ岳山麓の現状が透けてみえてくる仕掛けがにくい。今はどうなっているのかしら。2017/08/11
とんこ
0
画家さんだけあって絵が素敵。八ヶ岳のアトリエでの、季節を感じるきのこにまつわるエッセイ。きのこの美味しい調理法もいっぱい載ってるけど、中毒症状の描写が怖すぎる、私はやっぱりスーパーのきのこだけでいいです…