内容説明
原子爆弾の惨害を正面にすえ、人間の愛欲の最も深い場所から戦争を批判するという困難な作業に挑み、全世界に衝撃を与えた映画『二十四時間の情事』の映画の母胎となったシナリオとダイアローグを収録した本書は不思議な魅力をたたえた作品となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぞしま
14
「筋書き」「前書き」「附録」という構成になっている。デュラス自身「基本的な材料」の「報告」(A・レネへの)と著書内で書いているように、本書は純粋な読み物としては少し難がある気がする(結局はスクリーンへ目線が戻されるような書き方や、単なるつまらない同語反復など)。それでもなお、この作品の素晴らしさは映画の素晴らしさと直結しており(当然かもしれないが)、附録の「ヌヴェール」には新しい発見もあり、とてもよかった。 (特に)断章的ともいえる「筋書き」では訳者の詩情と呼応したような表現にワクワクする。2020/08/08
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- 和書
- 刺客の青い花