ちくま文庫<br> 本当の話―ルキアノス短篇集

ちくま文庫
本当の話―ルキアノス短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 472p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480023339
  • NDC分類 991
  • Cコード C0197

内容説明

これは単なるパロディスト?それとも、じつは、深刻過烈な思想家か?ローマ時代の作家中、ぬきんでて独創と構想力ゆたかな作家といわれるルキアノス。現代に生きても、卓越したジャーナリストたりえたにちがいないルキアノス。神々を含め、人間世界そのものの矛盾や撞着、愚かしさを笑いとともにほうり出してみせる、その凄さ、手際よさ!地獄・極楽はもちろん、鯨の胎内の世界、ランプの国、キルクの島…「ガリヴァ旅行記」や「月世界旅行記」の先駆となった表題作他9篇でおくるルキアノス諷刺文学の粋。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

記憶喪失した男

15
短編集。あまり頭に入って来なかったので、要再読。哲学者を皮肉った話が多い。「本当の話」は、史上初の宇宙SFかもしれない。 2016/06/15

有沢翔治@文芸同人誌配布中

5
 冒険心に駆られて〈私〉は大西洋の端を目指していた。しかしつむじ風に巻き上げられ、空へ飛ばされる。一週間、空をさまよった後、月へと到着。しかし金星の支配権を巡って月と太陽は開戦を目前に控えていた。巨大な蚤に跨り手にはアスパラガスの槍。辛子大根を遠くから投げ付け……。「本当の話」は、SFで馴染み深い月旅行の原型である。この他、諷刺文学、九篇を収録。 https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51531279.html2023/10/08

belier

4
表題作はすごい。『ガリバー旅行記』や現代のSFの先駆的作品と言われて当然。他の作品でも『神曲』を彷彿とさせる場面があり、ダンテに影響を与えたらしい。作者はシリア属州出身でギリシア語の作家。マルクス・アウレリウス帝と同世代人。主に同時代の哲学者を風刺しているようだが、ギリシアの神々や紀元前の哲学者ばかりが戯画化されて登場する。地上はアテネが舞台でローマは眼中にないのかもしれない。また皇帝と違い、ストア派が嫌いなようだ。パロディとしては現代人には分かりにくいが、また再読してよく理解したいと思わせる魅力がある。2023/07/04

Mof

3
神様も哲学者も皆人間味溢れるキャラクターで、ゼウスが特に頼りなくて可愛かった。2022/03/21

刳森伸一

3
古代ローマ帝政期のギリシア系文人ルキアノスの作品集。表題作は、月世界へ行くなど異世界ファンタジーの先駆けの知られる作品で、その本質は風刺文学なのだが、現代感覚からすると、想像力の飛躍しているさまが面白い。他のは対話篇で、風刺の度合いが強い。もちろんこれはこれで面白いのだけども、やはり表題作に強く魅かれる。2014/08/06

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