内容説明
嵐や暗礁など自然の危機、さらに各地の戦乱に行く手をさえぎられながらも、葦船ティグリス号は行く。古代シュメールの粘土版に刻まれた土地を現代にさぐりながら、古代文明がたがいにつながりのあったことをたしかめ、さらにさまざまな文明の起源からアトランティス伝説までを視野に入れた壮大な古代への流行。
目次
6 ティグリス号の自由を取り戻す
7 ピラミッドを求めてマカンに到る
8 ティグリス号と超大型船―パキスタンへの航海
9 インダス河流域にメルッハを求めて
10 アジアからアフリカへ、メルッハからプントへ
11 ティグリス号の五か月、人類の五千年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんもどき
7
ホルムズ海峡からパキスタンで上陸、ハラッパを訪ねた後、アラビア海をアラビア半島南側から伝ってアフリカまでの道程を描く。石油などでの海洋汚染の様子がたびたび記されていて、この時代から海洋汚染はあったんだなと考えさせられる。今ならプラスチックかな。南北イェーメン、ソマリア、エチオピアの戦争に抗議して、最後にティグリス号を燃やすのには何とも残念な思いがした。2022/10/30
猫
0
ヘイエルダール教授の冒険記の後半。太古の船を復元してアラビア半島をほぼ一周してしてしまった。太平洋を横断したコン・ティキ号に比べればスケールは小さいものの、エジプト、メソポタミア、インダス(そして中国すらも)の文明の間に交流が可能だったことを証明したという事実はとても大きな意味を持つ。 あとがきにもあるように、60年台に既に環境汚染という問題を提起していることの影響力も計り知れない。2014/01/06
washa46
0
古代文明による海洋交易ルート(現在のペルシャ湾〜オマーン湾〜アラビア海〜アデン湾)を葦船で検証する十一人… 人が移動する事は文化や動植物が移動する事にもつながっていると改めて教えられ… 冒険を終えて国連事務総長に宛てたヘイエルダール氏の手紙は現代の我々へのメッセージでもあると感じました… 5か月間に及ぶ航海記は冒険が溢れており楽しい読書でした…2021/11/28