ちくま文庫<br> ザ・ベスト・オブ・ジョン・コリア

ちくま文庫
ザ・ベスト・オブ・ジョン・コリア

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  • サイズ 文庫判/ページ数 427p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480023049
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

若い娘の肉体をすみかにし、映画俳優として成功するハンサムなノミの話、マネキン人形に恋をして身を滅ぼすノイローゼ気味のデパート店員の話etc.―ブラックユーモアと諷刺にあふれた短篇21。プロット・性格を念入りに加工し、複雑奇妙な味に仕立てあげられた作風は、ありきたりの小説に倦きた「すれっからし」の読者にも歯ごたえ十分。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aminadab

22
短編小説の名手。1901年イギリス生まれだがアメリカに渡り発表媒体は『ザ・ニューヨーカー』が多い。1951年に出した50篇収録の自選集でエドガー賞(MWA賞)を功労賞的に受賞。日本では早川書房〈異色作家短編集〉1960~65年が初紹介、本書は1980年代前半に出たサンリオSF文庫2冊を再編集したもの。ニューヨーカーに載るんだからもちろん名人なんだが、作風は①意地悪かつ②オシャレに尽き、現代日本の読者には合う人と合わない人がいる感じ。「炎のなかの絵」や「みどりの想い」は定評作。私の一押しは「魔女マネー」。2022/08/02

sabosashi

7
 奇妙な、というより辛辣な、と形容したほうがふさわしいような短篇集。  この苦さには、書き手の性格やら世界観がじかに反映されていると思ってしまうのだが、そういう考え方は邪道だろうが。「緑の木かげ、みどりの思い」なんてコルタサルのノリのような気がしたが。この書き手の腕はたしかなのだろう。こういった苦さというものは、えてして読み手に淫らな歓びをあたえてしまいそうでもある。通じ合うものがあるからなのだろう。いつになく早く読み進められた。ストーリーの勝利か。2021/08/04

しろ

4
☆5 奇妙な味系書き手であるジョン・コリアの作品集。その仕組みや意図がうまいというよりは、主張がはっきりしていそうな感じの作品が多い気がする。しかし、訳文か何かが僕に合わなかったのであまり楽しめなかった。奇妙な味系は好きだけど、その中では微妙。他の作品を読むか、他の訳者で読むかしたらはまりそうでもあるけど。この中では、「ある恋の物語」「葦毛のウマの美女」あたりがよかった。2012/05/09

くさてる

3
いわゆる「奇妙な味」系の短編集。時代の流れには対抗できない作品もあったけれど、いまでも十分に気味悪さや不思議な後味を残す作品の方が多いのがさすが。夜寝る前に1,2編ずつ、少しずつ時間をかけて読んでいくのがおすすめです。2013/09/04

Mark.jr

2
冒頭のハンサムな蚤が主人公の話から分かる通り、所謂"奇妙な味"に相当する短編集です。しかし、奇妙とはいっても天然で野放図な感じではなく、スーツでピシッと決めた貴族的な印象を受けるところに、イギリスらしさを感じます2020/01/27

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