ちくま文庫<br> 犯罪百話〈昭和篇〉

ちくま文庫
犯罪百話〈昭和篇〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 536p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480022646
  • NDC分類 916

内容説明

阿部定、正田昭、小原保、大久保清、三浦和義、かい人21面相…といった“名高い”犯罪者から、コソ泥、スリ、サギ師まで、昭和の時代を背景に、多彩なドラマを演じた人びとの物語。犯罪そのものの話だけでなく、警察官や塀の中の世界までも登場する。筆者には内田百〓、坂口安吾、大宅壮一、大岡昇平、吉野せい、種村季弘、野坂昭如、安部譲二、南伸坊など多土済々。

目次

1 サギ師の舞台(サギ師の舞台;どうせこの世は出たとこ勝負;万博型結婚詐欺 ほか)
2 泥坊三昧(小山田三郎;いもどろぼう;大金塊を盗まれた天賞堂;疎開と浮浪とスリ学校;大堀重雄サンと… ほか)
3 警察官の生活(巡査拝命;35年の刑事生活を終えて ほか)
4 塀の中の世界(戦慄の少年院時代;早春の前橋刑務所;ニセ医者日本一の腕前 ほか)
5 阿部定という人(阿部定騒ぎ;阿部定隣室観察十日間;阿部定さんの印象 ほか)
6 三面記事の世界(「赤マント」社会学;生きている「団地内主婦殺し」;21面相の手紙抄 ほか)
7 殺人事件帖(金属バット殺人事件;豊田商事・会長刺殺事件 ほか)
8 十三の階段(こんにちは、事件屋です;遺書 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海恵 ふきる

12
犯罪者自らの手で執筆されたものや、名物刑事による項もあり、視点が多角的なところが新しい。さしずめ犯罪の百科事典といったところである。戦後の騒乱を生き抜くために孤児たちが集結し、スリの手練手管を磨く学校組織のようなものを形成していたという話もあり、無論いけないことではあるのだが、一種のたくましさを感じずにはいられなかった。印象に残ったのは、改心した凶悪犯についてのいくつかの原稿である。総じて「感動的だ/死刑制度は人間の尊厳を踏みにじるものだ」という論調で稿が展開されていた訳だが、ぼくは到底賛同しかねる。2023/02/13

澤水月

4
内田百けん、種村季弘、野坂昭如、坂口安吾、大江健三郎らの犯罪論・体験談があるかと思えば「鬼の平八」と恐れられた昭和の有名刑事の談話、サギや殺人者の手記、阿部定の尋問記録、かい人21面相の手紙などごった煮で最高に面白い! 定には特に1章割かれ当時多くの「間違いお定」が大騒ぎになったことが新聞記事から見えるし、一番驚いたのは昭和の性の研究報告で有名な「相対会」主宰者の妻、小倉ミチヨがお定さんの独房の隣で観察記を書いていたことだった2011/09/30

JunTHR

1
なんとも幅広く、なんとも様々な書き口で、ノロノロと読んだが楽しかった。無教養の自分には、種村季弘・内田百間、野坂昭如・坂口安吾・大江健三郎・大岡昇平など大御所の文章を初めて読む機会に、図らずもなった。なぜかいちばん心に残ったのはスリの話であった。2016/08/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/165891
  • ご注意事項

最近チェックした商品