内容説明
洛中の町家の、二百余年伝来の旧家に生まれ育ち、ヨーロッパの文物にも通暁した著者にして、はじめてとらえられた京都の日常生活の姿が、ここにはある。名著『洛中生息』『続・洛中生息』を新たに編み直した真の京都案内の書。
目次
1 洛中生息
2 洛中閑歩(北野天満宮;泉涌寺;樹木;東寺;八坂の塔;壬生狂言;妙法院;若宮八幡宮;空也堂;住吉神社 ほか)
3 憂鬱と理念(アーケードと街路樹;看板のない町;博物館の復権;民間土俗の鉄斎;浅井忠のふたりの弟子;信長の首洗い井戸 ほか)
4 心象風景(比叡山;夏涼の法;門外瑣事 ほか)
5 パリ、京都、フィレンツェ(都市生活者;冬の旅;去年竹;夏―タピスリーと祭 ほか)
6 神遊び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
10
★★☆☆☆ 洛中に暮らす著者による京都エッセイ。だが、エッセイとはいえど決して気軽に読める内容とはいえず、なかなかにとっつきにくい。書かれた時代もあるかもしれないが。2022/02/20
なおこっか
7
重文である京町家、杉本家住宅の先代による、昭和の散文。京、時には仏伊の逍遙風景が際立ち、読む者にも街を幻視させる。大人と子供、遊びと鎮魂の二重性を祇園祭が持っているとの仮説、魅力的。図子とは表通りから引っ込む小道のうち通り抜けられるもののこと、路地は袋小路のこと。西洞院四条下ルの西側に残る、化粧水という地名。私自身が病を得て訪ねた因幡薬師は著者が訪ねた頃には閑散と。その著者が中学生の頃には戦争に備えて大通り沿いの家を引き倒したとの記憶が切ない。美文故、著者の好きな蓮月にも関心至る。2021/03/31
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