ちくま文庫<br> デカメロン〈下〉

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ちくま文庫
デカメロン〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 441p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480021779
  • NDC分類 973

内容説明

偶然に教会で出会った10人の男女がそれぞれ1話ずつ10日間話した100の物語。間男が扉をたたく合図の音を聞きとがめられ、幽霊だと夫をごまかしたり、夫の帰宅に間男をあわてて樽の中に入れ、中をたしかめている買主だとだまし、夫に男を送らせるなど、浮気をごまかすために数数の知恵を働かす妻たち。逆に女をだましてものにする司祭や修道院長たち。だましだまされ、虚々実々の人間模様がつぎつぎに展開されて、大団円へ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

47
最後はまるで夢のよう。10人の紳士・淑女は始まりの教会で元のように分かれます。紳士たちは街へ、淑女たちは各自の家へと、最初の教会での出会いの続きのように。歌や踊りにうち興じ、凄惨な、楽しい、色っぽい物語に夢中になったあの日々はなかったのかと思うほどにあっさりと。街に戻ればペストが蔓延していて、その上、それでなくても現実では辛く恐ろしいことを避けては通れないもの。でも彼らも私も、この愉快な日々でそれに立ち向かう力を蓄えられたのではないかと思います。現実の苦しみを少しでも慰めたいという作者の願いのとおりに。2017/11/10

viola

10
今更ですが、この表紙って・・・。なかなか面白かった『デカメロン』。シェイクスピア『ヴェローナの二紳士』の種本(?)もありました。妊娠したのだと信じてしまった愚かな夫の話などもあったりと笑える話もあります。それにしても不貞が多いよ、不貞が。ボッカッチョはダンテに傾倒していたそうですね。関連書で満足してしまっていた『神曲』、やっぱり読んでみたいなぁ・・・。2011/06/30

はる

9
遅れに遅れやっと読了。ありとあらゆる騙の熟語が飛び交う最後の3日間三十話。それが色話に脚色されて、何とまあ、情熱的なことか。既婚の身、未亡の身、焔の若者であり、騙し騙され、瞞着に瞞着でやり返しのショートに沸き。シュワちゃんのように妊娠して悩む夫に流産の治療を施す医者の奇想天外な話(これも閨房の体位が問題であったわけだけれど)。パクス・ロマーナの時代を印象付けるローマとアテネの哲学談義が一人の美しい娘をテーマに友情と常識を巡り展開されたり多彩でした。作者も言っているがお気に入りを有益に読んでもらいたい。2024/05/05

かんやん

5
ボッカッチョ、なんか語りが巧くなっているような! 面白い、といっても古の異国の類型化されたような説話なので、ワンクッション置いた面白さなんだが、ふとロマネスクな描写や葛藤、そして長々と続く台詞に惹き込まれる。8日目の四話の壮絶な復讐譚から五話の微笑ましい仕返しの流れが秀逸。あと、カランドリーノという少し抜けた絵描きが愉快な友人たちに一杯食わされる話は、数えてみたら、四話もありました。登場する度に頬が緩みます。期待したような大団円はなかったけれど、楽しめました。ありがとう、そして、さようなら、ボッカッチョ!2015/12/20

ヴィオラ

4
10人の男女が集まって、1日1人1話づつ、十日で計100話の話が語られます。毎日、王様(女王様)を決めて、彼(彼女)の決めたテーマに沿った話をする事…って、これなんて合コン?(^_^;)たまにとんでもなくエロい話とかあるけど、性に対して今よりおおらかだったのかなぁ?どこか滑稽だったり人情味あふれていたり、落語みたいな感覚で楽しく読みました。2012/06/15

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