内容説明
スペインの片田舎の紳士が、騎士道小説の読みすぎで妄想に取り憑かれ、「世の不正を正すため」従者を引きつれ、遍歴の騎士となって旅に出る。狂気と正気の衝突、夢想へ向かっての猪突猛進、溌刺とした純愛―世界文学に永遠の生命をもって登場した長篇小説を全4冊で贈る決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おにく
22
映画やアニメ、バレエの演目など、タイトルはお馴染みですが、前後編を含めてかなりのボリュームなので、実際読むのには躊躇してしまいます。物語は、騎士道の本を読みすぎて本と現実との区別がつかなくなった主人公が、騎士道を極める旅に出て、時代錯誤な正義感であちこちに騒動を起こすという。今で言うと“高速道路を自信満々に逆走し、事故をひき起こす痴呆気味の老人”のような困った主人公です。当初はこの物語を滑稽だと笑って読んでましたが、騎士道を極める事に一点の迷いもない姿に次第に狂気を感じます。この後の展開は?後編に続く。2015/04/13
メルコ
8
騎士道小説の読みすぎで妄想をきたした男。ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャと名乗って「世の不正を正すため」従者サンチョ・パンサを連れ、老馬ロシナンテにまたがって旅に出る。ときに本筋とは関係ない話に脱線するのは、大長編たる所以か。当時流行していた騎士道小説のパロディとして書かれたらしく、常軌を逸した主人公は行く先々で人に嘲笑され、まともに相手にされない。しかし小説の読みすぎで自分を騎士だと思い込んでしまうところは、決して他人事とは言えない。思い込み激しく突っ走る人物は歴史上でも現代でも、人の迷惑をかえりみず↓2022/03/02
🍭
5
名前だけ有名小説の代名詞でもあるドン・キホーテについて。 本当にだれしも一度は聞いたことがあるであろう風車を巨人と信じ込んで突っ込んでいく場面しか知らないのは少し勿体無い! ドン・キホーテはそれを遥かに超えるキチガイエピソードを凄まじい勢いで打ち立てていく名誉ガイジ! 従者であるサンチョも脱糞ガイジ! 古い小説だから、詩をとても大事に扱ったり、言い回しが仰々しいので、少々読むのが疲れるが。いざ、気を入れて読むと、彼らはユーモラスな読者を必ず笑顔にさせてくれるのである。2016/08/06
しんかい32
3
評判の微妙な会田訳ドンキホーテ。言われるほど読みづらくはないが、たしかにテンポはよくない。騎士道小説では「騎士がお姫様を助ける→ラブ」じゃなくて「騎士が誰かを助ける→評判がお姫様に届く→ラブ」だったらしく(間違ってたらごめん)、僕なんかは効率悪い物語構造だなあと思ってしまうのだが、本書でもその点はさんざんおちょくられている。ドンキホーテは善行(と彼が信ずる行為)をなすたびに「このことを姫に伝えてくれ!」と相手に頼むのだが、だれも従ってくれないのである。2010/06/29
Miki Kawamura
1
訳本って苦手で敬遠してました、が、友人の薦めにより読破! おもしろかった! 友人が言ってたみたいに、読んでからどこがどうとか話すのがまたいいのかも! スペイン語でも簡単なやつ売ってるかな〜? 早く後編読みたい!2016/12/15