内容説明
恋人の心変わりに傷つき、生家の貧しさに胸を痛めながらも、生涯忘られぬ贈物をもらった17歳のクリスマス休暇。「幸福の黄色いハンカチ」の原作者としてしられるピート・ハミルが、1950年代ブルックリンの青春を郷愁をこめて回想した自伝小説。文庫化にあたり、新たにエッセイを付した決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
20
常盤さんの文章が好きで、その翻訳作品も、彼が愛したアメリカの洗練された空気がそよいで来るような気がして、気に入って読んでいる。この本も、古本屋で常盤新平訳に誘われて購入した。ピート・ハミルという作家は知らなかったが、「幸福の黄色いハンカチ」の原作者と説明されているから、こちらが浅見なだけであろう。さて内容は著者の自伝的作品で、1950年代はじめ頃のブルックリンと貧しいアイルランド人家庭の様子を描いている。カトリックのアイルランド移民達が、ブルックリンで肩を寄せあって生きた時代のノスタルジアが詰まっている。2017/04/09
N田
6
映画「ブルックリン」と1、2年違いの大体同時代な設定らしい。なのに、この違いは一体何なんだ。作者はインテリでナイーブな文体なのだが(それは除隊後に奨学金貰って獲得するはずだ)、「彼は僕」と冒頭に念押ししているわりには、徒党を組んで、間違って店に来て失言した客をボコボコにするのがアイリッシュ魂だと礼賛する。一体何なんだ、この本は。2016/07/29
ピンガペンギン
3
自伝的小説。短いのですぐ読めた。作者は北アイルランド移民の息子。父親に愛されてないという不安を抱いている。朝鮮戦争の時代に海兵隊に入隊してクリスマスに帰郷。アイルランド移民が酒飲みが多く子だくさんだと、定説どおりの描写がある。父親とのやり取りをもう少し詳しく読みたかった。2022/07/29
ゴン号
1
話としてはすぐに読めてしまうが、手放せない本。
丰
0
Y-202006/12/05