ちくま文庫<br> ドキュメント 去るも地獄残るも地獄―三池炭鉱労働者の二十年

ちくま文庫
ドキュメント 去るも地獄残るも地獄―三池炭鉱労働者の二十年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480020796
  • NDC分類 567.096

内容説明

「総資本対総労働の闘い」であった三池の大争議から20年。さらに、死者458名、CO中毒患者839名を出した三川鉱の炭塵大爆発から10年。―ヤマを去った人たち、残った人たち。患者と家族・遺族がたどった永く苦しい受難のドラマ。ルポライターの透徹した眼が捉えた労働者たちの物語。

目次

1 二つの死
2 島の三池魂
3 港の歌声
4 鉄鎖の響き
5 大変災
6 修羅坑
7 記憶の街
8 三池の火柱

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みなみ

4
フィリピンのバナナ農園の本読んだばかりで囚人労働が出てきてなんて酷い…と思っていたら、三井三池炭鉱では明治から囚人労働があり、島から連れてきた労働者を差別し、労働争議のリーダーを指名解雇し、利益第一主義で大事故を起こしていた。三井財閥と国家が癒着した人権無視の労働現場の酷さは想像を絶する。労働者を人と思わず、抵抗されれば鎮圧する。大事故を起こしても司法と癒着して責任すら問われない。なんて酷いことが行われてきた国なのか。2019/11/26

根室

4
三井三池争議から20年、あの争議を戦った労働者達やその家族に鎌田さんが取材をし、彼らの当時の思い出や争議後から今の生活までの道程などが語られる。与論島出身の労働者への差別、企業の第一組合への差別、大事故の責任を認めない企業、事故とCO後遺症、指名解雇者のその後の人生と闘争の反省、、etc   今の生活は苦しいが第一として争議の前線で戦ったことを誇りに思っているという人が多い。それだけ精神的な結びつきは強かった。しかし運動が仲間ばかりに目を向けすぎていた、仲間内の自己満足に陥っていたという、反省もあった。2011/09/15

にゃん吉

1
整理解雇された三池労組の組合員や、炭塵爆発事故の被災者へのインタビュー集。元は、雑誌の連載で、本書は昭和57年刊行。あとがきによれば、彼らのその後にスポットを当てて、本邦の高度経済成長のひずみを描くというのが著者の意図だったようです。解雇された労働者、一酸化炭素中毒になった労働者や、その家族の辛苦は、胸を突くものがありますが、こういった本書の性質からか、三池闘争の経過などの前提となる事実関係については、断片的に説明される格好で、前提知識がないと少しわかりにくいかもしれません。    2019/07/04

さくらみかげ

1
高度経済成長期における日本的労働運動の爪痕に想いを馳せながら。果たして現代日本の雇用情勢は安保・三池を逆照射できるか。2011/04/01

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