内容説明
戦後36年、基地と観光の島と化してしまった沖縄で、女であるがゆえに負わなければならなかった過去に口を固く閉ざし、沖縄戦の深い傷痕をかかえて生きてきた女たちが、ひとりひとりの命こそが宝である世の中を願って、いまその胸のうちを語る。
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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
5
女性視点で女性が聞き取る沖縄戦の語り。浅学ゆえに著者の存在は初めて知ったので、どういう方なのかは不明。しかし話を聞く姿勢、視点には、当時はあまり意識されていなかったであろうジェンダーが座っており、そこから見直す沖縄戦の非人道的な出来事の数々が明らかになる。読む立場によっては、非常に辛い話。特に米兵ではなく「友軍」と言われる日本兵による、沖縄女性への性暴力の事実は重い。本書に類する研究や資料は他にないわけではないと思うが、注目したのは語りの時期。沖縄戦から約30年という時間が重みを増している。2024/04/10
Machida Hiroshi
3
戦後36年と書いてありますので、取材で語ってくれた人たちは、まだ50代でしょう。語れないこともあり、言葉にすると伝わらないもどかしさもあったようです。読んでいて胸が締め付けられ、切ないですが、これは体験しないとわからない世界でしょう。現代でも似たようなことがシリアとかで起きているのです。否、他所の国だけじゃありません。こうして沖縄戦を生き延びた80代のおばーが、今日も辺野古のキャンプシュワブ前で新基地を作らせまいと体を張っています。目を背けず、多くの人に知って欲しいです。辛いですが読んでみてください。2016/03/15
tecchan
0
この本が書かれてから40年近い。ちょうど始めて沖縄に行った時期もこの頃。多くの住民が亡くなった沖縄戦を女性の証言から見る。 当事者しかわからない戦争の悲惨、苦悩。少しでも多くの人が共有できたらと思う。沖縄の現状を見ると、戦後70年経っても全く変わっていない。2018/12/03
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