出版社内容情報
「春と修羅第三集」「詩ノート」「春と修羅詩稿補遺」「疾中」を収め、巻末に上記詩篇のそれぞれの異稿を付す。
【解説: 入沢康夫 】
目次
春と修羅 第3集
詩ノート
春と修羅 詩稿補遺
疾中
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
65
2巻も1巻に引き続き、詩がおさめられています。比較すると洗練されてきたような美しさがあるように感じました。オノマトペを探るように描いているからでしょうか。それでも心情が伝わってきます。美しい世界に引き込まれます。2020/05/29
優希
44
透明感のある優しい詩が多く見られました。賢治の想いがひとつひとつ詩の中に込められているのだと思うと、その世界の中にいる時間が愛おしく感じます。2022/08/16
∃.狂茶党
11
正直、農民としての詩には、必死さと、必死さに手を入れ、改稿していくことのわざとらしさが感じられるように思う。 理想の私。 そのような気配がある。 そのため『疾中』の鋭さが際立つのですが、ここにある詩篇も改稿されてる。どうも、ほんとに死へと向かった頃ではなく、死にかけた頃の歌であるらしい。 気に入った詩篇は、『疾中』のそれを別としては、どす黒いいくつかの文字。 『一〇三三 悪意』 『一〇六七 鬼語四』これは他にも鬼の言葉があったのか? まるで、ラブクラフトの視た世界のような『一〇七四』。2022/09/07
風太郎
9
土俗性溢れる、優しい詩が紡がれています。第一巻の詩と比べると、洗練されているような気がしました。そうですね、でも自分は第一巻の豊かなオノマトペをあれこれと探しているような詩が、宮沢賢治らしいと思ってしまいました。まあ、第二巻の詩も宮沢賢治の心の一面を描き出しているには違いないんです。タイプは違う詩ですが、豊富な語彙の中に、賢治の故郷、岩手の自然とそこに住む人と動植物への愛情が伝わってきます。『銀河鉄道の父』も併読しているので、あれこれ想像しながら読み終えました。2018/06/07
misui
8
「春と修羅 第三集」「詩ノート」「疾中」を収録。賢治特有のメタフィジックな世界は影を潜め、農村の技術者としての現実が色濃く反映されている。よくもてはやされる童話的な世界観の裏で、賢治が農村の地獄を生きて書き続けたということの意味を考える。2013/08/06
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