出版社内容情報
古代の天皇が建立した社寺建築は血統を可視化したものだった。法隆寺・薬師寺・伊勢神宮の伽藍配置の三極構造に秘められた天智・天武・持統天皇らの戦略を探る。
内容説明
古代の天皇たちが建立した社寺建築は天皇の血筋を可視化し、即位の正統性を強くアピールしていた。社寺建築の配置タイプは天皇たちの血筋に明確に対応していたのだ。聖徳太子創建の法隆寺若草伽藍は塔と金堂がタテ一列だったが、天智天皇はこれを真っ向から否定し、塔と金堂がヨコに並ぶ法隆寺西院伽藍を建立。一方、天武天皇は三極構造の薬師寺を建立し、その妻持統天皇は三極構造を伊勢神宮の社殿配置に導入した。“タテ→ヨコ→三極”の変遷に秘められた天皇たちの戦略を探る。
目次
プロローグ 謎めく二つの法隆寺
第1部 法隆寺は二つあった(塔の礎石が庭石に;法隆寺再建・非再建論争があった;何から何まで対照的な二つの法隆寺;”太子を拝む寺”への大転換;なせ法隆寺だけ中門の真ん中に柱が立つのか)
第2部 伊勢神宮と薬師寺は車の両輪(神宮・神明造り・アマテラスは同時に成立した;神話が予告する;古を未来に届ける式年遷宮;薬師寺から伊勢神宮へ;伊勢神宮に移転した三極)
第3部 皇統を定めた三極構造(建築群の配置に託されたもの;血のながれを加速させて本流に;三極の成り立ちと意味)
終章 時間の中の三極
エピローグ 三極構造は未来に向かう
著者等紹介
武澤秀一[タケザワシュウイチ]
1947年生まれ。建築家/博士(工学・東京大学)。東京大学工学部建築学科卒業。同大学院工学研究科修士課程(建築学専攻)を中退して同大学助手。その後、独立して設計事務所を主宰。神社仏閣などの建築空間を通しての日本人の心のありようの探究がライフワーク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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