筑摩選書<br> 戦場のカント―加害の自覚と永遠平和

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筑摩選書
戦場のカント―加害の自覚と永遠平和

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480018007
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C0310

出版社内容情報

加害の自覚とは何か――。撫順戦犯管理所やアウシュヴィッツ収容所が人々に刻んだ体験は、人が人を赦すことの意味を峻烈に問う。人間の根底に迫った哲学的考察。

内容説明

哲学者カントが訴えた“永遠平和”の眼目は、敵意が終わることにある。しかし、それは人間に可能なのか―。「撫順戦犯管理所」。中国で非道を為した日本兵たちがいた場所である。ここで中国人と日本人の間に起きた事態は、カントの理念の現実性を鮮烈なまでに突きつける。撫順を経た人々に加え、本書はアウシュヴィッツ収容所の帰還者やパレスチナ紛争の被害者の声にも耳を澄ませ、人が人を赦すことの意味を問う。人間の根底に光をあてた哲学的考察。

目次

第1章 従軍の体験と沈黙(戦中派の孤立;出征まで;実的刺突;シベリアのカント;撫順での蘇り;沈黙と羞恥;秘匿と虚無に抗って;)
第2章 自己という証拠―悪魔はいない(アウシュヴィッツのカント;悪のための悪?;根源悪;カントの良心;ドラマと真実)ヒューマニズムと非暴力
第3章 死刑を超えて(死刑の法理;カントとデリダ;更正の受け皿;再会と再統一)
第4章 拷問の果てに―謝罪とはなにか(アメリーとイスラエル;平和の祭典/憎悪の祭典;アメリーとレーヴィ;テロリストとの“対話”;謝罪の筋道;土屋芳雄の謝罪と誓い;出会い)

著者等紹介

石川求[イシカワモトム]
1958年、北海道生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。東京都立大学名誉教授。博士(京都大学・文学)。専門分野はドイツ近現代哲学。著書に『カントと無限判断の世界』(法政大学出版局、第三一回和辻哲郎文化賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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trazom

92
撫順戦犯管理所からの帰還兵の証言を踏まえて、カントの永遠平和・根源悪・原罪、道徳と政治、死刑、謝罪とは何かとの重い思索が続く。野田正彰先生の名著「戦争と罪責」を思い出しながら読む。中帰連に批判的な人たちは、いつも「中国の洗脳」だとのレッテルを張る「撫順の奇跡」だが、そこに良心があったことを信じたい。議論は、ナチスへの応報感情やテロリストへの怒りなどを辿った後、撫順がマンデラ氏の真実和解委員会と連なっていることを示唆する。世界の平和が遠ざかりつつある中、石川先生ご定年に当たっての渾身の講義の一端を味わう。2024/10/26

おたま

44
ここでは、哲学者カントの『永遠平和のために』『実践理性批判』を基に、平和についての考えを深めてはいるが、実はそれよりも重視されているのが「撫順戦犯管理所」で行われたこと。撫順戦犯管理所とは、日本軍が十五年戦争で敗戦した後に、中国の撫順にBC級戦犯を集めて収容していた施設。そこで、1950年から56年までの6年間、約1000人にも及ぶ戦犯たちは徹底的に「人間」として遇され、一人の処刑者を出すこともなく釈放される。彼ら戦犯はその後、日本に帰国し、「中国帰還者連絡会(中帰連)」を組織して平和運動を推進する。2024/09/22

アカショウビン

2
そもそもカントを知らずに読んだので、どこまで本書を理解できたのか 甚だ心許ないが、衝撃はかなりのものだった。(実的刺突)大陸での日本軍人のあまりの蛮行。(土屋芳雄、鈴木啓久など)ラストエンペラー溥儀も収容された撫順は、余りに先鋭的な「学校」であった。周恩来らの指導により、本書副題の「加害の自覚と永遠平和」が追求される。帰国した彼らは「中帰連」(中帰連平和記念館なるものがある)を結成するが、国内では「洗脳された」とのレッテルを貼られる。最後はカントの街ケーニヒスベルクで終わる。ウクライナのことを考えている。2024/11/10

takao

1
ふむ2025/06/17

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