出版社内容情報
なぜ菊池寛がつくった『文藝春秋』は大東亜戦争を牽引したのか。小林秀雄らリベラリストの思想変遷を辿り、どんな思いで戦争協力に加担したのかを内在的に問う。
内容説明
一九二三(大正一二)年、『文藝春秋』は本文二八頁、定価一〇銭の薄いパンフレットのような体裁で創刊された。そして、瞬く間に新中間層を引きつけ、総合雑誌のトップに躍り出る。創刊以来、中道の立場をとっていたが、日中戦争の開始とともに「戦争」に深くコミットしていく。文壇、論壇の大御所となった菊池寛、その周辺に集まったリベラルな文化人たちは、ただ時代の空気に「迎合」し、呑み込まれてしまったのか。戦後民主主義の図式からは見えない「戦時言論」の深部を探り当てる。
目次
第1章 菊池寛、人と思想
第2章 菊池寛のエディター・シップ
第3章 『文藝春秋』と日中戦争
第4章 『文學界』グループの転向
第5章 文春グループの「大東亜戦争」
第6章 文春グループの戦後
著者等紹介
鈴木貞美[スズキサダミ]
1947年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。学術博士。創作、文芸批評に従事ののち、東洋大学を経て、国際日本文化研究センターに勤務。定年後、同名誉教授。日本近現代文芸を中心に思想文化史の再編と取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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