筑摩選書
マルクスを読みなおす

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480016102
  • NDC分類 331.6
  • Cコード C0330

出版社内容情報

世界的に貧富の差が広がり、再び注目を集める巨人・マルクス。だが実際、その理論に有効性はあるのか。歴史的視座の下、新たに思想家像を描き出す意欲作。

内容説明

一九世紀、勃興する資本主義とその帰趨について類例のない分析を行ったカール・マルクス。冷戦終結後、世界経済の激動と貧富の差の拡大により、再びこの巨人への関心が高まっている。だが実際のところ、彼の思想は今どこまで有効なのか。著者は『資本論』をはじめとする代表的著作から、マルクスの誤解や夢想を突きとめ、今日的意味を取り出していく。正確な時代把握と読解から思想家像を描きなおす意欲作。

目次

第1章 マルクスの生きた時代(時代の産物;旧体制フランス、改革に失敗す ほか)
第2章 一八四八年の危機と『コミュニスト宣言』(「コミュニズム」とは何か;マルクスの挑発 ほか)
第3章 亡命と挫折、そして『資本論』の誕生(ロンドンでの窮乏生活;最高傑作『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』 ほか)
第4章 マルクスの誤解、スミスの嘘(マルクスの資本主義観;アダム・スミスの「革命性」 ほか)
第5章 今日、マルクスを読む意味はあるのか(『資本論』第一巻の刊行と反響;ロシアで読み継がれた理由 ほか)

著者等紹介

徳川家広[トクガワイエヒロ]
1965年、東京都生まれ。翻訳家、政治・経済評論家。徳川宗家十九代目にあたる。慶應義塾大学経済学部卒業後、米ミシガン大学大学院で経済学修士号を取得。国連食糧農業機関(FAO)のローマ本部、ベトナム支部に勤務した後、米コロンビア大学大学院で政治学修士号を取得(国際関係論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やまやま

4
結論としては、マルクスの視点からは経済の本質は理解できないということになり、輝かしい未来にいたる道が暴力革命を経て実現すると考えられた幸せな時代の残滓とまとめられる。搾取論については、搾取のために搾取を行うことは必然性がなく、労働者と失業者の対立は生産力(技術力)の問題で生産関係は重要でないなど、著者は努力してマルクス経済学関係の書籍の用語を分かりやすく言い直しており、敬意を表する。資本主義の勃興について聖書(黙示録)からの話があるとよかった。現代はマルクスよりマルサスのシナリオとの分析も同意できる。2019/05/12

まゆまゆ

4
マルクスによる共産党宣言は、ソ連の崩壊という既に歴史のなかで失敗として位置付けられているはずだが、今なぜ再び注目されるのか。時代背景を読み解き、現在でも通じる考え方やエッセンスを紹介する内容。現在の資本主義の代案とならないまでも、考え方は知っておくべきといったところ。2015/02/05

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