筑摩選書
幕末維新の漢詩―志士たちの人生を読む

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 310p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015990
  • NDC分類 919.5
  • Cコード C0395

内容説明

江戸時代において漢詩は詩歌の王道をなす。それはまた知識層が身につけるべき素養のひとつでもあった。幕末維新という激動期、志士たちは数多くの優れた漢詩を遺している。勝海舟、西郷隆盛、吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作など、時代を代表する人々が人生の画期において詠じた詩は、その心情の紛うかたなき結晶である。時に烈々、時に艶美。それら詩の味わいとともに描かれる二十の肖像。

目次

高杉晋作―痴情は却って老残の枝に在り
久坂玄瑞―海防の大義竟に如何
桂小五郎―天道は未だ知らず是か非か
日柳燕石―故さらに梨花に就く淡月の光
吉田松陰―盛んに桃李の枝を植えん
橋本左内―扼腕して頻りに睨む日本刀
佐久間象山―丹桂の花陰に鳳声を学ばん
藤田東湖―三秋の風物英雄を老いしむ
横井小楠―血統の論豈に天理に順わんや
宮部鼎蔵―胸中の部伍常に堂堂たり
梁川星巌―一例に詩人は道を聞くこと遅し
藤井竹外―樹樹の樹頭 絳霞を篭む
大橋訥庵―刑屍 累累として鬼火青し
山田方谷―何処の青山か骨を埋めざらん
村上仏山―落下粉粉 雪粉粉
月性―火攻めして勝を決し艨艟を燬す
前原一誠―吾は今国の為に死す
雲井龍雄―慷慨山の如く 死を見ること軽し
西郷隆盛―笑う儂死に向として仙客の如し
勝海舟―嘯響凛然として一剣寒し

著者等紹介

林田愼之助[ハヤシダシンノスケ]
1932年、福岡県生まれ。1963年九州大学大学院文学研究科博士課程修了。九州大学大学院文学研究科助教授を経て、神戸女子大学大学院教授。現在、神戸女子大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Noboru

1
2014年読了。

在我壷中

0
吉田松陰三十歳、橋本左内二十六歳、高杉晋作二十七歳、久坂玄二十五歳。徳富蘇峰には『維新の若者は天保の老人に導かれるに非ず、天保の老人を導かんと』平成の今、昭和の老人共には如何に、平成の若者へ導かれんと・・・漢詩の一つも?詠んでみせると?辞世すら・・・昭和の老人、政治家諸士?諸君心して平成の若者へ、何を?遺すと、示せると・・・維新後の近代化西欧化に非ず!戦後のグローバル、アメリカンスタンダードに非ず!仁明天皇には『漢』から『和』へと左近の梅を左近の桜へと『和心』へと。漢詩には梅、和歌には桜、取り戻せ『和心』2014/09/04

渓流

0
昔の武人は、偉かった。ただ、剣を振るだけの人ではなかった。この素養が、維新を単なる暴力革命にしなかったのでしょう。2014/09/03

linbose

0
江戸時代、漢詩は武士の一般教養だった。伝記は数多ある一方、維新の志士らの漢詩はあまり知られていないが、漢詩を通じてその考え方の真実や内面を深く知ることができると▼書き下し文、現代語訳もついていて理解するのには十分すぎるほど丁寧なのだが、白文を見て訓読できるほどにまで繰り返し読まないと漢詩の良さは分からないような気がする2024/04/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8108049
  • ご注意事項

最近チェックした商品