筑摩選書<br> 哲学で何をするのか―文化と私の「現実」から

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筑摩選書
哲学で何をするのか―文化と私の「現実」から

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  • サイズ B6判/ページ数 289,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015600
  • NDC分類 133
  • Cコード C0310

出版社内容情報

哲学は、現実をとらえるための最高の道具である。私たちが一見自明に思っている「文化」のあり方、「私」の存在を徹底して問い直す。新しいタイプの哲学入門。

内容説明

哲学は断じて浮世離れした学問などではない。これこそ、現実と切結び、それを新たなまなざしでとらえかえすための最高の道具なのだ。ニーチェの思想“パースペクティズム”を軸にして、私たちが一見自明に思っている「文化」のあり方、「わたし」の存在を徹底して問い直す。世界が生成する有様を描きながらも、なぜ多くの哲学が「絶対の罠」に取り込まれていったのかもあわせて論じる。新しいタイプの哲学入門書。

目次

第1章 「文化」のさまざまな顔(文化の多様性;「文化」のさまざまな起源;文化をめぐる矛盾の数々;文化の透視不可能性―文化現象の具体例1;「伝統」の誕生―文化現象の具体例2;アート―自立的に展開する文化;文化がつくるわたし)
第2章 文化のなかの「わたし」(ファッション―他人による欲望;ねたみ;他人あってのわたし;「自我」の底抜け―世界システムにおけるエディプス;世界システムにおける制度と「自我」;「自我」をつくる力;巨大系のなかの「自我」)
第3章 「わたし」と「システム」を生成する流れ(“流動的自己形成態”―第一の装置;“内生的絶対性”―第二の装置;真理―現象が教育的経験構造における“内生的絶対性”;経済現象;“内生的絶対性”としての「芸術」;“自己”―第三の装置)
第4章 「絶対」の探究―ニーチェ以前の哲学(「自我」の哲学;「普遍的真理」;真理;哲学という“内生的絶対性”)
第5章 “現実の哲学”(多様性・不確定性;大反転―意味の“本当の”起源;文化/哲学/アヒンサ)

著者等紹介

貫成人[ヌキシゲト]
1956年神奈川県に生まれる。1985年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、専修大学文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いかすみ

1
ニーチェ以前と以降の哲学を分けて、前者は真理などの固定的・脱時間的価値観を求めるのに対して、後者はそれを否定して生成を肯定する。ニーチェの言うパースペクティズムとは「一瞬の眺望を固定し、実体化し、あたかも永遠の存在であるかのうように錯覚してしまうメカニズム」のことである。すべては<流動的自己形成態>によって生成し、真理や自我などの<内生的絶対性>は根拠が無いのだ。このようにパースペクティズムを批判することによって、普遍的真理や自我を流動化し、「増殖」による「多様化」がもたらされるのだ。2024/11/08

しゃんぷーしょく

1
哲学について書かれた本を読むのは苦手である。読んでもよくわからないうえに、現実と結び付きが見えないから。しかし、この本は具体例が豊富で、哲学の考え方が非常にわかりやすかった。この日常で生きていくには、批判的な目線だけでは生きていけないけれど、すべてを甘んじて受け入れているだけでもだめなのだろう。こういう本を読むと、文系学部は減らしちゃだめだよなと思う。2016/05/25

なつき

0
【はしプロ哲学19】『哲学で何をするのか 文化と私の「現実」から』読了。「文化」という一貫したキーワードで、おもに自我についてさまざまな側面から論じていく。読みやすい文章だが、内容はかなり高度で、新しい発見もたくさんあった。参考文献表は、「現代で」哲学を志す人間には役立つだろう。2017/05/14

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