出版社内容情報
神宮をめぐり、交錯する天皇家と地域勢力の野望。王権は何を夢見、神宮は何を期待したのか? 王権の変遷に翻弄され変容していった伊勢神宮という存在の謎に迫る。
内容説明
伊勢神宮には二つの顔がある。一つは、伊勢地域に実際に存在する地域神社としての顔。もうひとつは、中央政権が構想した、天照大神がいるとされる国家的存在としての顔だ。両者をつなぐ存在が天皇の代わりに神宮を奉斎する斎王であった。伊勢と天皇はなぜ、いかにして結びついたか。中央政府にはどんな思惑があったのか。政治の変動に翻弄され斎宮が衰えゆくなか、神宮はいかなる変容を遂げ、現在に至るのか―。王権・神官・斎王という三者の関係から、伊勢神宮とは何かを問いなおす。
目次
都の動き1・国家が定義した「伊勢神宮」―『伊勢太神宮式』を読む
伊勢の動き1・伊勢地域の神としての「伊勢神宮」―『儀式帳』を読む
伊勢の動き2・斎王の存在感―『延喜斎宮式』を読む
都の動き2・奈良時代の伊勢神宮
伊勢の動き3・斎宮の大改革
都の動き3・神祇氏族、大中臣氏の成立
伊勢の動き4・伊勢国は誰のものか
都の動き4・神宮と新しい時代の神々
『太神宮式』と『儀式帳』
連動する都と伊勢1・揺らぐ国家、変わる神宮
末法の世の斎宮
神宮、中世へ
神宮の歴史を洗い直す―まとめとして
“プレ「都の動き」”・改めて古代史料を読み直す
“プレ「伊勢の動き」”伊勢神宮前史
律令国家は何を夢見たか
伊勢神宮とは
著者等紹介
榎村寛之[エムラヒロユキ]
1959年大阪生まれ。大阪市立大学文学部卒業、岡山大学大学院文学研究科前期博士課程卒業、関西大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得修了、「律令天皇制祭祀の研究」にて、博士(文学)。現在、斎宮歴史博物館学芸普及課長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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