筑摩選書
筑摩書房の三十年―1940‐1970

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  • サイズ B6判/ページ数 267p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015150
  • NDC分類 023.067
  • Cコード C0300

出版社内容情報

古田晁と臼井吉見。――松本中学以来の同級生ふたりが、文字通り心血を注いで守り育てた筑摩書房。その根の部分に迫った、作家・和田芳恵、渾身の作の復刻版。

目次

第1部 戦前篇―筑摩書房の船出(古田晁と臼井吉見の絆;戦時下の筑摩書房)
第2部 戦後篇―荒波を乗り越えて(新たな出発;綱渡りの連続)

著者等紹介

和田芳恵[ワダヨシエ]
1906年、北海道に生まれる。中央大学独法科卒業。編集者として勤務しながら、小説の執筆や樋口一葉の研究に携わった。『一葉全集』全七巻(筑摩書房、1953‐56年)の編集に力を尽くし、『一葉の日記』(筑摩書房、1956年)では日本芸術院賞に輝いた。1963年に『塵の中』(光風社)で直木賞を受賞、作家としても自立した。以後、1974年に『接木の台』(河出書房新社)で読売文学賞を、77年には『暗い流れ』(河出書房新社)で日本文学大賞を受賞した。1977年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ステビア

16
社史の名著として知られながらも非売品のため手に入りにくかった本書が、このような形で復刊されたのは大変喜ばしいことである。2020/05/04

アメヲトコ

7
『私の岩波物語』のなかで、山本夏彦翁が、およそ社史というものはどれも読むに堪えないなかで、これは数少ない例外であると評した筑摩書房の社史。創業者である古田晃と臼井吉見を軸に、素人ながらよい本を出すべく苦闘を重ねる群像劇の趣で、人物にもちゃんと血が通っていてさすがに読ませます。もともと非売品で関係者だけに配られた幻の作品だったのですが、こうして選書の一冊として手軽に読めるようになったのはありがたいことです。2017/03/10

miunac

2
この本のことを最初に知ったのは、丸谷才一の随筆である。その丸谷才一は、常々、小説に必要なのは風俗(性風俗日本非ず)とゴシップだと書いていた。社史はもちろん小説ではないが、小説家が書いた社史なら自ずとその傾きは出る。したがって、一葉全集のところがいちばん可笑しい。2019/03/23

案山子

2
創設期の熱気と、金策に走り回るようになる戦後の落差が激しい。内情が結構明け透けに書かれているが、これを社史として配布したっていうのが面白い。出版を続けるということは、人並みならぬ苦労をせねばならんのだなあ。2012/12/01

koala-n

1
社長の古田晃とその親友で良き右腕の臼井吉見の二人を中心にした、筑摩書房の社史。元々非売品で関係者に配られたものだが、さすが和田芳恵の筆になるだけに読み物としてもとても面白い。読み所はやはり創業の困難を乗り越えて、事業がそれなりに軌道に乗るあたりで、理想に燃える若き出版業者の活躍は、本好きにはたまらないものだろう。しかし、次第に借金に悩ませられるようになる後半は(流石に書き難いのか)やや駆け足で物足りないものが残る。それにしても、出てくる人士がほとんど東大京大出身者で、出版社の特殊さが感じさせられる。2013/05/06

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