筑摩選書
現代思想のコミュニケーション的転回

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015136
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C0310

内容説明

「超越論的転回」から「言語的転回」「解釈学的転回」を経て、現代思想はついに「コミュニケーション的転回」に至った。「わたし」から「みんな」へ、「モノ」から「コミュニケーション」へ、と移り変わってきた思想の流れを整理し、いま現代思想が現実社会に対して何ができるのかを提示する。新しい時代の「正義」「価値」を考えるための「使える」一冊。

目次

第1章 全体の見取り図
第2章 私たちが直面している問題はどのようなものか
第3章 コミュニケーション的転回の哲学的基礎
第4章 現代思想のコミュニケーション的転回
第5章 コミュニケーション的転回の意義
第6章 現代コミュニケーション論概観
第7章 コミュニケーション的転回の問題点
付録 四つの転回を読むためのブックガイド

著者等紹介

高田明典[タカダアキノリ]
1961年生まれ。フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科教授。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了。早稲田大学大学院理工学研究科電気工学専攻電子通信工学専門分野博士後期課程単位取得満期退学。茨城大学教育学部非常勤講師(文化記号論)。芸術科学会会員。日本心理学会会員。情報処理学会会員。IEEE会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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harass

60
個人的に贔屓にする著者の代表作といえる実に明快な哲学入門書。著者によると、400年の哲学思想史でこれまで意味や正しさが論じられてきたが、重要な「転回」があったと。カント「超越論的転回」ソシュール「言語的転回」ガダマー「解釈学的転回」そして、現在「コミュニケーション的転回」の時代であるとする。意味や価値が生まれるのは「みんな」との対話の中からだという。現代のコミュニケーション学の紹介と問題点などを論じる。学生向けの本のなのか、少しくどいほど丁寧に論じられている。細かい参考図書紹介がある。文庫化を求む。2017/08/21

白義

9
あっさりしてるしブックガイドも丁寧で、使いやすい入門書。高田明典は哲学を生きるための技術、ツールとして解説する力量が特化していて、この本でもカントの超越論から現代思想の言語論的転回、そしてアーペルやハーバーマスに代表されるコミュニケーション的転回まで、こんなにすらすらしていいのかっていうくらい平易に語られる。まず他者と自己の関係であるコミュニケーションから、真理も実在も言語も考えようぜと。今の草の根評論家もほとんど自分のコミュニケーション能力に焦点を当てた論が多いし、教科書として使える良書2011/10/28

月をみるもの

5
「求む、世界の基盤の理論。ただしスピノザのやり方はのぞく」2017/10/08

onaka

5
コミュニケーションによって言葉が作られ、言葉によって事実が発生し、事実によって世界が構築される。現代思想を特徴づける、コミュニケーション的転回へ至る哲学の系譜が、さらっと明解に語られサクサク読める。反面、現代的な課題に対する議論がやや物足りない、が入門書ってことで仕方なし。合理的な人ばかりでない現実の共同体において、いかに合理的な判断をなし得る社会を構築していけるか?民主主義のその次って何だろう?ということを読みながら考えた。2013/06/09

sk

3
意味や価値といったものはコミュニケーションにより生成されるものであり、明証性や一方的な社会的権力によって生成されるものではない、という現代の哲学的転回について書いたもの。非常に面白く示唆に富んでいるし現代的なのでお薦め。2015/07/18

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