出版社内容情報
漢字の源流「甲骨文字」のうち、現代日本語の基礎となっている教育漢字中の三百余字を収録。最新の研究でその成り立ちと意味の古層を探る。漢字文化を愛する人の必携書。
内容説明
現在われわれが日常的に使っている文字「漢字」は、その源流を古代中国の「甲骨文字」に持つ。その字形や意味は、驚くべきことに現代日本の漢字とつながっており、その原初の姿を尋ねることで、自分たちの文字により豊かに接することができるのだ。本書では、甲骨文字にも多く原形が見られ、日本語の基礎ともなっている教育漢字三百余字を収録。漢字文化を愛する人の必携書。
目次
第1章 甲骨文字と殷王朝
第2章 甲骨文字の構造
第3章 人の姿を元にした文字
第4章 人体の一部を元にした文字
第5章 自然物を元にした文字
第6章 動植物やその一部を元にした文字
第7章 武器・礼器を元にした文字
第8章 武器・礼器以外の道具を元にした文字
第9章 その他の文字
第10章 元が何か分からない文字
著者等紹介
落合淳思[オチアイアツシ]
1974年生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程修了。同大学助教。専門は甲骨文字と殷代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
4
小学生で習う漢字における甲骨文字に関する字典。甲骨文字から今の感じを類推できるものもあるし、ぜんぜん違うものもあってやはり面白いです。射の甲骨文字なんて象形文字としてそのまんまだなと思いました。加藤常賢、藤堂明保、白川静らの説を場合によっては併記し、その誤りを指摘しています。多くは甲骨文字では用例がないので原義は不明としていることが多いですが。最後の方にある甲骨文字口が丁に変わっていった経緯が知りたいところです。2025/03/14
やま
3
加藤常賢、藤堂明保、白川静の各学説を併記し、検討している点がよい。甲骨文に用例がなければ「判断できない」としているところもフェアである。欲を言えば、甲骨文に人名としてしか現われない字が普通の名詞や動詞になるミッシング・リンクを「推論」してくれるともっと面白くなるだろうに。2011/08/18