内容説明
女として女を愛したビリティスの物語。遊び女として、詩人として、古代ギリシャに生きたと、ピエール・ルイスのいう“ビリティス”は、幻だったのか、実在したのか。―21世紀を生きる四人の女たちが全訳に挑戦した。ときにみずみずしく、ときに狂おしく、ときにはかない、女の一生。
著者等紹介
ルイス,ピエール[ルイス,ピエール][Lou¨ys,Pierre]
1870年ベルギーで生まれ、1925年に亡くなった。『ビリティスの唄』と、『アフロディーテ』が代表作
岸田今日子[キシダキョウコ]
女優として舞台、テレビ、映画などで活躍中。エッセイ、絵本の創作、ショート・ショートの作家としても著名。著書に『妄想の森』(日本エッセイストクラブ賞、文芸春秋社)など
原田和子[ハラダカズコ]
1928年東京生まれ。文化学院女学部卒。幼稚園教諭。現・朗読集団パローラ主宰
伊東淑子[イトウヨシコ]
1932年東京生まれ。氏家高等学校卒。幼稚園教諭。現・朗読集団パローラ会員
杉田良子[スギタリョウコ]
1939年東京生まれ。慶応義塾大学文学部英文科卒。現・朗読集団パローラ会員
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感想・レビュー
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skellig@topsy-turvy
4
とても美しい、同性愛の香りに満ちた官能的詩集。ビリティスという女性が書いたということになっている、所謂「偽書」です。宇野さんがイラストを書いてらっしゃるし、内容も外見も美しい本。なのですが、個人的好みからすると翻訳が少し残念。監修の原田氏によるフランス語のクラスを受けていた4人の女性が訳したものだそうですが、所々首を捻りたくなるというか、もっと味のある訳があるのでは、と勘繰ってしまう箇所があります2012/08/31
in medio tutissimus ibis.
3
19世紀、ベル・エポックはなやかなりし時代のパリで活躍した才人の一人、ピエール・ルイスが24歳の時の作品。紀元前六世紀の女流ギリシア詩人ビリティスの作品の翻訳、と言う体裁の偽書であり、同時代の女流詩人サッフォーやその作中にも登場する弟子ムナジディカなどが言及される。詩だけではなく、いやに詳細な経歴まで用意されており、また詩の中にはタイトルだけ伝わっていて散逸したという設定のものまである芸の細かさ。当時結構な人が騙されたというのもうなずける出来です。2015/11/01
むっち
0
甘さにかけるというか、粘り気に不足を感じるというか。。。。2015/03/09