内容説明
日本人のルーツに深く関わり、人々の心と生き方を映しつつ語り伝えられてきた神話を、歴史・考古学的視点から考察した新しい論文集。
目次
日本神話と王権(日本と東南アジアの柱祭;大嘗・新嘗祭と記紀神話;風土記の神話 ほか)
民俗・思想と日本神話(縄文の神話と昔話および民俗;造船説話とスサノヲノ命;陰陽五行思想による日本神話の再吟味 ほか)
アジア諸国の神話と日本神話(オホナムチ神話と中国の民話;雲南省ハニ族の神話と日本神話;西南中国の少数民族にみられる洪水神話;百越の始祖伝説と日本神話)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K.H.
10
いまひとつ統一感のない論文集だな、と思ったら、最後にその理由がわかった。雑誌『東アジアの古代文化』および別冊から、「とくに優れた、興味深い論文を編集部でテーマ別に厳選、再編したもの」だそうである。こんなの初めて読んだ。で、特に後半を読むと、たしかに東アジアの諸民族の神話や習俗には日本神話と共通の構造のものが多いのがわかる。しかしもちろん、それが古代人の移動とともに運ばれてきたのか、それとも単なる伝播関係に過ぎないのか、明らかにはならない。結局わたし程度の読み手には、表面上の刺激を受けただけだったかも。2023/02/20