内容説明
東シナ海をはさんで中国江南、朝鮮半島、日本列島の三域にまたがって、同じ系統で、同じ構造の始祖伝説がみいだされる。これは歴史的に何を意味するのであろうか。かつて、高句麗・百済は、中国江南呉越の地に出兵して領有した歴史がある。同じ時代、倭王権も江南と親密な関係を維持した。こういう状況における江南系文化の朝鮮半島・日本列島への流入に伴い、越人系の始祖元説が伝播したのではないか。正論日本史に挑む。
目次
1 百越と崑崙
2 熊襲と隼人
3 蝦夷と粛慎
4 任那と新羅
5 高句麗と百済
6 秦と漢
余章 神武と崇神