出版社内容情報
民主主義は私たち一人ひとりの暮らしの中にある。元・クローズアップ現代の国谷裕子を含め、9人との対話で政治学を学び直す本。
内容説明
「自分の暮らし」をつくる、行動する政治学。
目次
1章 ボランティアから始めた人
2章 データで社会を変える人たち
3章 自治体と一緒に始めた人たち
4章 温故知新で地元をアップデートする人たち
5章 目の前の一人を幸せにして社会を変える人
6章 女性の視点から社会を変えていく人たち
座談会 これからの民主主義を考える
著者等紹介
宇野重規[ウノシゲキ]
1967年東京都生まれ。政治学者。東京大学社会科学研究所教授。東京大学法学部卒業。同大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は政治思想史、政治哲学。『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会)で2005年度、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞を、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社学術文庫)で2007年度サントリー学芸賞(思想・歴史部門)をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
111
宇野重規先生は、奥村裕一先生らとともに「オープンガバナンス」という理念を提唱するが、その実践例が紹介されている。沖縄の高校生、保育士や里親として社会を変えようと奮闘する女性など、「自分で始めた人たち」の行動力と言葉に心打たれる。選挙だけでは民主主義の将来は絶望的だが、オープンデータと市民参加によって社会課題を解決するというオープンガバナンスは、デジタル時代における新しい民主主義の方向性を示しているのかもしれない。民主主義を「名詞」でなく「動詞」として捉える人たちの言葉の数々に、勇気をもらった気持ちになる。2022/05/17
佐島楓
75
主に行政と協調することで保育などの生活の改善を図る活動をなさっている方々へのインタビュー。「行政も市民も変化するのが怖いんじゃないか」という奥村さんの言葉を重く受け止めた。互いに対等な立場で働きかけていくことが生活のクオリティを高めていくことにつながるし、それこそが民主主義の基本。個々人が参画しているという意識を持つことから始めないとダメか……って何十年前の議論をしているんだろうな。とにかく自分でもできることを探ってみよう。2022/03/20
けんとまん1007
66
そもそも民主主義とは何ぞやを考える。そこには、大きさの大小はいろいろあるにしろ、何等かのアクションがある。自分なりの意思を持って、周囲へ働きかけること。ただただ、何かを待つのではなく、意思表示をすること。この国は、世界の潮流と異なり、ますます、クローズの世界・排除の世界へ進んでいると思う。だからこそ、必要な動きだと思う。いきなりではなく、身近なところから始めること。そんな小さな動きをたくさん作ること。瀧本哲史さんの思考と同じだ。2022/05/31
ヒデミン@もも
50
民主主義って、言葉で説明するのは難しい。実際に自ら行動を起こしている人たちの言葉は響く。気になるのは、このチャレンジ‼︎オープンガバナンスCOGの受賞者が女性ばかりだということ。デジタル化について、中野区、川崎市宮前区のことなど興味深い。2022/03/30
Nobuko Hashimoto
26
自治体と市民がともに抱える地域の課題を解決していくことを目指す、東大主催のコンテスト「チャレンジ!!オープンガバナンス」関係者らとの対談集。これはという人たちをピックアップしたら女性ばかりだったそう。それぞれの事例を面白く読んだが、対談形式のせいか、課題が何で、その取り組みで解決できそうなのか、解決方法は持続可能性があるのか、どのあたりが従来とは違うオープンなガバナンスといえる試みなのか、広がりや深まりが見込めそうなのか、今ひとつわかりづらい。きちんと筋道だった文章にした方が良かったような気がする。2022/08/06
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