内容説明
雇用大崩壊、蔓延する閉塞感、市場原理主義の陥穽…格差社会の歪みとは?気鋭の社会学者が階級社会日本の実態を徹底分析。
目次
序章 秋葉原通り魔事件の衝撃
第1章 「格差はいつの時代にもあった」というのは本当か
第2章 格差拡大を推進した人々
第3章 「新しい階級社会」の誕生
第4章 一度落ちたらはい上がれない社会
第5章 格差と貧困を生み出した国の政策
第6章 一〇年後―階級社会日本の最悪のシナリオ
第7章 目指すべき未来といまできること
終章 復讐する社会からの脱出
著者等紹介
橋本健二[ハシモトケンジ]
1959年石川県生まれ。東京大学教育学部卒業、同大学大学院博士課程単位取得退学の後、静岡大学助教授を経て、2002年より武蔵大学社会学部教授。専門は理論社会学および階級・階層論。趣味と研究を兼ねて「居酒屋考現学」を提唱。日々の成果をブログで公開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りょう
5
ひしひしと感じてることをちゃんと整理された感じ。この20年、失われた時間にあたしは、ずーっと必死に働いていたのに、こんなにも、変わっちゃったんだ、いや、変えられたんだ。怒りのもって行き場がないや。2019/04/17
すのう@中四国読メの会コミュ参加中
3
日本の貧困率は14.9%⇔生活保護受給率1.18% 貧困状態にある人のうち生活保護を利用しているのはわずか8%程度。他の社会保障制度を利用している人もいるため、全てが生活保護の対象ではない。しかし、生活保護制度が貧困状態にあって保護を必要としている人々のごく一部しかカバーしていないことは明らかである。この貧困は、連鎖する。富める者はよりいっそう富、貧しいものはよりいっそう貧しくなる。精神論ではもうどうにもならない。制度的に変えていかなければいけない時がきたように感じた。2013/04/25
yu-ente-isra
1
貧困や金持ち優遇の政策、格差について比較的丁寧に、データなどを使いながら説明している(ただしデータが説明するのは、格差拡大の事実であり、それが善か悪かは私も判断つかない)。しかし、結局のところ、日本の政治家は、金持ちをさらに儲けさせてあげるのがお仕事。そんな方々に格差を解消してくださいなどというのは無理な話で。この本を読んでも、「ああ解決するのは無理やろな」という結論に至る。結局、我々にできることは、格差社会の中で少しでも上を目指すか、いつおこるかもわからない階級闘争に期待するかどちらかなのだろう。2018/08/11
oko1977
0
格差が米国政府・日本政府・日本の富裕層によって意図的に作られたものだという主張に興味がわいた。これからよくするためには、富裕層から貧困層への富の再配分を可能とする制度づくりや助け合いの精神を醸成する必要がある。そのための一歩は国民全員が自発的に手を差し伸べることが必要と理解しました。2012/09/14
侑珠生
0
「アンダークラス」という言葉が気になって読みました。書かれた時から10年近く経過していますが、まだ、色々と課題は深刻なような気がします。 AI化が進むことでより、一部の既得権を得ている人以外の仕事がなくなり、能力の再教育が出来ず、就業の機会自体がなくなっていくのではないか…と危惧を覚えます。 対策として、自分が何から手を付けたらいいのか…。2018/12/18