内容説明
「試してみな。駄目だったら相談に乗るぜ」江戸庶民の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、口は悪いが気性は真っ直ぐで、厄介事を丸く収めると評判の江戸娘。そんな湊屋に今日も事情を抱えたお客がやってくる―。軽業を披露する旅回りの童が十六文の損料で借りに来た物とは?深夜の店に忍び込み、何も盗らずに出て行く賊の正体は?絵草紙に描かれた隠金の言い伝えの虚実は?お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、待望の第六弾!
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学卒。中学校の美術教師を務める傍ら創作活動に入る。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家としてデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。2014年、「風の王国」シリーズで歴史作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
74
シリーズ第6弾。江戸のレンタルショップ「湊屋」の両国出店の店主お庸。本店のオーナー・清五郎への想いを断ち切るべく努力を重ねながら本日も男まさりの仕事ぶり。今作もこの世に起こる出来事、この世ならざる物の仕業がお庸たちを悩ます。風鈴30個をレンタルした瀬戸物屋の男。目的は鳴子(罠)代わりだという。盗まれる物はないが、物が動いているというその正体は?日本の某土地に眠るという隠し金の存在。芝居小屋の戯作の手伝いをしている男に乞われお庸が向かった山村の謎。オチがスッキリ。どれも複雑怪奇な話がなくてサクサクと面白い。2025/05/23