内容説明
おだやかな笑顔の聖母像、神話の女神、王侯貴族、市井の女性、ファム・ファタル、女性画家の自画像…。本書では絵画の中で描かれた女性像にフォーカスし、知られざるエピソードや絵画の見どころ、画家との関係性や時代の背景などを解説。15世紀の“受胎告知”から20世紀の“マドモアゼル・シャネルの肖像”まで、女性はどう描かれてきたのか、その変遷が見えてくる名画入門本です。
目次
1章 15、16世紀の作品(“受胎告知”フラ・アンジェリコ;“聖母子と二天使”フィリッポ・リッピ ほか)
2章 17、18世紀の作品(“受胎告知”エル・グレコ;“聖母の死”カラヴァッジョ ほか)
3章 19世紀の作品1(“レカミエ夫人”ダヴィッド;“マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ”マリー・ドニーズ・ヴィレール ほか)
4章 19世紀の作品2(“ゆりかご”ベルト・モリゾ;“菫の花束をつけたベルト・モリゾ”マネ ほか)
5章 20世紀の作品(“帽子の女”マティス;“メーダ・プリマフェージの肖像”クリムト ほか)
著者等紹介
佐藤晃子[サトウアキコ]
美術ライター。愛知県出身。日本、西洋の絵画をやさしく紹介する書籍を多数執筆する。明治学院大学文学部芸術学科卒業。学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了(美術史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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die_Stimme
6
15世紀以降の女性画をカラー図版とコンパクトな解説を付して70作品紹介するもの。好き。「長らく女性は男性の画家によって描かれ、人々に鑑賞される存在であったことも痛感し、女性画家による女性像も見ていたいと思うようになりました」とあとがきにあるように、一般的な美術史関係の本よりも女性画家による作品の割合がかなり多いのが特徴的だと感じた。2023/05/20
takakomama
5
女性が描かれた絵画70枚。画家のエピソードや時代背景などの解説。日本の鈴木晴信と喜多川歌麿の浮世絵、上村松園の日本画1枚も載っています。美術史の流れもわかります。当時は有名だった画家、人気があった画家でも亡くなったり、人々の好みが変わると忘れられてしまいます。時代によって、画家や絵画の評価が変わります。2023/10/07
O-chami
3
15~20世紀の女性画70作を時系列で解説。聖母・女神・王候貴族・女性画家の自画像~そしてファム・ファタール(運命の女)❗️描かれた女性たちの知られざるエピソードや画家との関係、またその背景を知り、シンパシー頻りです。僕の好きなBEST5は⑤「真珠の女」コロー④「帽子の女」マティス③「オフィーリア」ミレイ②「忘れえぬ女」イワン・クラムスコイ①「真珠の耳飾りの女」フェルメール❗️そしてBGMは、Elton John「Sweet Painted Lady」~Roxy Music「My Only Love」🎶2023/08/11
めい子
3
20230716読了。おもしろかったです。美術館めぐりが意外と好きなのでこの手の本は、結構好きで楽しめました。しかし、残念ながら国内の美術館に収蔵されている作品が少ないので、そうそう簡単には実物を観に行かれないのが、ちょっと悔しいところです。2023/07/16
ぺこら
1
一つひとつの作品について作者のこと、時代背景やエピソード、鑑賞ポイント等がコンパクトにまとまっている。全てオールカラーの画像なのも素晴らしい。2023/06/10