内容説明
メディアやネットにあふれる「ウソ健康情報」。そんなあやしい情報に騙されない方法を徹底伝授!約30万人を診た予防医学の専門家による、自分と大切な人を守るための一冊。
目次
第1原則 私たちの体に「健康法」はいらない(「免疫力」は医学用語ではない!;ビタミンCに「風邪予防」の効果はない;「酵素健康法」のウソとホント)
第2原則 人間は「思い込む」動物である(「体に良さそう!」と思わせる印象操作;「薬は怖いから頼りたくない」という思い込み)
第3原則 万人に効く薬は存在しない(「化学物質が体に悪い」は迷信である;人の体はさまざま、弱点もさまざま;「動物実験」をそのまま信じない)
第4原則 「科学的根拠」にも罠がある(「科学的結論」と言えるのか;技術の限界、あいまいな定義;因果関係の落とし穴)
第5原則 薬になっていないのには理由がある(有効であれば医薬品になっている;「非科学」を「科学」に見せる専門用語のマジック)
著者等紹介
奥田昌子[オクダマサコ]
京都大学大学院医学研究科修了。内科医。京都大学博士(医学)。愛知県出身。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何か考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関で30万人近くの診察にあたる。航空会社産業医を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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momi
38
「私たちの体は世界に一つしかなく、だからこそ健康は最高の宝物」この著者の言葉に心をうたれました。世の中に健康にイイと言われているものは山のようにあり、その中から「真実」と「デマ」を見極めていかなければいけない。この本に書かれていることを頭の片隅に置き冷静な目で判断していきたいと思います。2021/01/28
すうさん
4
「日本人の病気と食の歴史」を読んで以来の奥田昌子さんのファン。医学博士の彼女は常にデータやエビデンスを重視した科学者の観点で判断している。あいまいな宣伝やイメージでつい信じてしまう偽商品やウソ健康情報がどれだけ多いか。健康に対する関心が高い分だけ私達は「思い込みの罠」にかかってしまう。結局万人に効く薬はないし、きちんとした睡眠やバランスの取れた食事をしてストレスをなるたけ避け生活習慣こそが健康への金科玉条である。病気でなくともさらに健康と思う気持ちが強い。「もっと、もっと」の考えは間違い。中庸が大事だね。2021/09/14
すうさん
1
再読本。人の体が想像以上にうまくできていて、健康であれば免疫機能は維持されていて、医学の科学的根拠よりも人間の心理によって健康の考えが変わってしまうこと。自分の都合の良いデータばかり頭に入る確証バイアスの影響が大きいこと。だから万人に効く治療法や薬はなく、医学的な効果は簡単に立証できない。トクホや健康食品への注意点をうながすことは脆弱な人間の判断についてもう一度健康と共に考え直すチャンスだ。膨大な情報がすぐ手に入る今だからこそこういった本を読んで、医学的知識や科学的な思考および判断力を学ぶべきだと思った。2023/03/24