出版社内容情報
キラキラネーム、謎の美少女と出会うラノベ展開、おじさんLINEもあった!? 万葉集研究者&批評家OLが繰り出す怒涛の和歌紹介
内容説明
わるい彼氏と付き合う娘を心配する母親、えらいおじさんを手玉にとる若い女の子、散りゆく花びらを空から落ちてくる雪にかさねた繊細な男性歌人―万葉集に登場する魅力あふれる人物と歌を、ときに妄想をふくらませ、ときにツッコミを入れながら、とことん深ぼり。隠れた魅力を浮きぼりにします。私たちと変わらない、笑って泣いて生きている姿に1300年前と現代がシンクロする、異色の和歌紹介エッセイ。
目次
はじめに 萬葉集は風流な歌だけじゃない
第1章 これでいいのか!?萬葉集
第2章 千三百年前も恋バナかよ
第3章 夜に読みたい大人の恋愛論
第4章 表現は萬葉歌人に学んでみよう
第5章 大切なことはすべて萬葉集にある
著者等紹介
三宅香帆[ミヤケカホ]
1994年生まれ。文筆家・批評家。京都天狼院書店元店長。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了
相澤いくえ[アイザワイクエ]
1993年生まれ。マンガ家。2014年「モディリアーニにお願い」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン
30
面白く読めました。中学生に古典の面白さを伝えるネタとして使えそうです。2020/02/24
しゅん
22
kindleに入れている折口信夫訳・解説の万葉集を1年ほど前からちょくちょく読んでいるのだが、なかなか内容が入ってこない。先にこちらを読んでおけばよかった。歌の関西語訳のノリの良さ、柿本人麻呂や大伴旅人など詠み手のキャラクター性、現在まで未確定な解釈の拡がりなど、本人曰く「インターネット文体」で書かれた解説は人懐っこく、万葉集の楽しみ方と現代との接続点をつかんだ気になれる。特に、全て漢字で記されている原文においてダジャレのような当て字が頻出している話から、キラキラネームの歴史性を指摘する論などは新鮮。2022/07/07
マッキー
15
万葉集の本なんだけどむしろ万葉集に難しい&面白くないイメージを持っている人にこそ読んでほしいと思う。切り口がカジュアルすぎる。2020/05/03
イシカミハサミ
13
この本を読んで思ったことは、 万葉集は「昭和のテレビ」で 古今あたりは「平成以降のテレビ」という印象。 万葉集は確かに低俗な部分も多分に含んでいるけれど、 その分、真に迫った表現やうわべだけでないところがあって心に沁みる。 古今あたりになると、表現は整備されて奇麗だけれど、 やっぱりしっかりとしたルールの上にあって心象風景という感じではない。 その後和歌という文化の辿った道はというと……?2022/05/04
aisu
12
表紙は「天の海に雲の波立ち月の船 星の林に漕ぎ隠る見ゆ」を元に描かれたそうです。壮大なイメージ。本の内容は著者が面白いと思った歌の紹介、くだけた現代語訳、解説からなる。時には漢字ばかりの原文にも解説が及ぶ。万葉集ってこんなに面白くて奥が深くて現代にも通じて魅力的だよ!という著者の熱意がヒシヒシと伝わってくる。2023/11/06
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