出版社内容情報
94歳にして旺盛な活躍を続ける「知の巨人」が明かす、思考力を鍛える「聞き方」のコツ
内容説明
聴く力が思考力を鍛える。94歳「知の巨人」が明かす、「考える力」を深める聴き方のコツ。
目次
第1章 「聴く」が聡明のはじまり(講演は聴くべきもの;耳バカ社会 ほか)
第2章 思考を深める「聴く話す」(「読む書く」の前に「聴く話す」;はじめのことばは耳のことばである ほか)
第3章 「読む書く」重視の落とし穴(音読と黙読;日本語の難点 ほか)
第4章 日本語の問題(ことばの距離感覚;向き合いたくない ほか)
第5章 知的な「聴く話す」(ことばの西高東低;思考を生むもの ほか)
著者等紹介
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年、愛知県生まれ。東京文理科大学英文科卒。雑誌「英語青年」編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授(5年間、同大学附属幼稚園園長を兼務)、昭和女子大学教授を経てお茶の水女子大学名誉教授。文学博士。英文学のほか、読者論、テクスト論、教育論などで論考を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryo
4
読み書き学習偏重の日本教育に警鐘を鳴らす本。聴く話すという技能も読み書きと同じくらい大切なであるが、日本では教えるものでは無いとされる。対して海外では聴く話すも教えるものという意識がある。これは日本の英語学習にも顕著に現れていて、最近やっと聴く話すも加えた4技能と言い出した。書き言葉の様に明確化された知識以外にも、言葉で伝えるべきものは数多くあり、聴くという事は非常に重要な知的活動で有る。書かれている分野は、コンピュータの得意とする分野であり、聴く話すという活動こそ人間にアドバンテージの有る分野となる。2018/09/06
るい
3
題名に惹かれて購入。黙読より前に音読があること、読み書きより前に聞く話すがあること。幼い頃、そのように育ててもらったはずなのに、すっかり忘れてしまっていた。私もまた話の聞けない人の一人だ。だが、人に話すことを職業とし、なかなか聞いてもらえないことを嘆いている。話も鍛えたいが、自分の聞く力も鍛えたい。まさに聞いていてわけがわからなくなってしまうのだから。2018/10/02
ぁー
2
目だけなく、耳からも情報を入れるべし!耳から情報を入れる能力が低下し、バカになると著者は言う。 確かに、耳から情報を入れることを怠っているような気がする。だから、英語が話せないというとこまで飛躍する。読書が好きだから、目からの情報を優先しているが、音読すると更にいいとのこと。 なかなか音読は出来ないんだよなー(笑)2021/02/11
magic makky
2
【要約】産まれたばかりの子供は、聴くことしかできないがそれによって学んでいく。聴く話す言葉は決して浅いものではなく、それができる人は知的な鋭さがある。目と頭で考えるのではない。耳で判断、口でまとめ、思考に結びつけるのが、これからの知の方法である。【感想】話を聴き自分の思いを話す。短い時間の間に頭をフル回転させていく。著者の言われるようにこの方が難しい。今からでも聴き話す事を意識して実行しよう。2019/06/25
toyash
1
普段読まないジャンルですがとても面白かったです。 教育改革や近代化で言葉は聞く言葉、話す言葉、読む言葉、書く言葉に分裂し、さらに活字は信憑性があるが、会話は信憑性がないという活字信仰が蔓延しています。人々(特に日本人)は読む言葉、書く言葉を磨き上げ、聞く言葉、話す言葉がなおざりにしてきました。しかし、諸々の理由によって聞く言葉、話す言葉も重要視されています。 授業も聞かずに友達のノートを見て勉強してきた自分は聞く話す能力が平均よりも不足していると認識しているため、人との会話を大切にしたいと思いました。2019/08/31