出版社内容情報
単行本で5万部超えのベストセラー、待望の文庫化!! 気鋭イラストレーターが描く世界初の死の本!
内容説明
死んだらコオロギになる。そう信じる人々がいる。あばくのでもなく、かくすのでもなく、寄藤文平が描いた等身大の死のカタチ。「死ぬってなに?」素朴な疑問を、絵で考えた新しい「死の本」。
目次
はじめに
死の入口
死のカタチ
死のタイミング
死の場所
死の理由
死のものがたり
死のしまい方
著者等紹介
寄藤文平[ヨリフジブンペイ]
1973年長野県生まれ。1998年ヨリフジデザイン事務所、2000年有限会社文平銀座設立。広告やプロジェクトのアートディレクションとブックデザインを中心に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とろこ
65
タイトルから誤解を招きそうなので、念の為に一言。これは、「自殺する為の方法」の本ではない。ごく真面目に、けれど深刻にならない程度に、「死」とは何かを考える本である。世界各国の、「死んだ後どうなるか」という信仰や、太宰治や三島由紀夫、ハチ公やラオウの死に方までが紹介されている。日本では、「死」について語ることが、暗黙の了解としてタブー視されているような風潮がある。だが、生まれ落ちた瞬間から、誰もが皆、いずれ死を迎えることは定められている。ならば、「死」について考えることも、時には大切なのではなかろうか。2017/11/04
馨
59
すごくためになりました。遠いようで誰もの身近にある「死」について改めて考え、世界的に死ぬことがどのような立ち位置にあるのか、データや資料をベースにイラストと文でわかりやすく解説しています。人はいずれ死にゆくのに、迫らないと考えもしない、また自分だけは死なないのではないかとなぜか思ってしまう、経験者が語ってくれないから生きている人間によって想像や恐怖も限りなく膨らんでいく、死ぬまで答えの出ないテーマだと思います。2017/09/03
zirou1984
45
「されど死ぬのはいつも他人」という墓碑銘を残したのはマルセル・デュシャンだけど、僕達はいつか死ぬという事実をどれだけ受け入れているだろうか。本作はそんな平等に迫り来るテーマについて、JTの広告で有名な著者によってカタログ化された死についての入門書。世界各地の宗教信仰や現代科学を並列に置いた死のカタチや統計データ、歴史上の偉人から有名作の登場人物まで様々な死について取り上げる。その上で向き合わされるのは死への態度であり、自分の人生のたたみ方。怯えながらも笑えてしまう、今までにない読む楽しさに溢れた一冊。2017/01/25
ちさと
33
これで暫くはやめよう。死ぬってなに?死んだらどうなる?臨終の際の皆の態度ってどんなもん?死にまつわる色んな形を列挙した本です。国や宗教、時代によって変わる「死のカタチ」を紹介した部分が愉快でした。死んだらどうなるかなんて誰も知らないし、どうせなら楽しいイメージをしたいですよね。アイヌの人々のように「パラレルワールドへ行く」もいいし、パプアの人々のように「近所の島に行く」もいいな。現代生物学的に「人の体になる」とか「乗り換える(遺伝情報として)」が端的だけど夢がない。1番嫌なのは「地獄へ落ちる」ですかね。2019/03/23
TANGO
33
いつもそこにあるのに、うまく説明出来ない、というか、見ないようにしてる、というか、気になってはいるけれど口に出しにくいもの=「死」というものに対して、可愛いイラストと真面目な文献や資料で、向き合ってみて、必要以上に構えたり怖がったりしなくてもいいのかな、とも思ったり、今の自分に出来る「死」とのつきあい方を考える機会をくれる1冊。2016/12/20