内容説明
「先生は真木のことを好きでしょう。なんとなく、そんな気がする」―決して手に入らないものを希み続ける頑なな少年と心を通わせようとする予備校教師、川野。マンションの一室で同居することになった二人はすれ違い、諍いあうが…。瑞々しい長野まゆみワールド。
著者等紹介
長野まゆみ[ナガノマユミ]
東京都生まれ。1988年「少年アリス」で第二五回文藝賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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honoka
32
萌え。物凄く川野と真木をくっつけたくなったけど川野よく堪えたよ。「鳩の栖」を再読して更に堪能したくなった。2017/02/27
小夜風
24
【所蔵】「鳩の栖」収録の「紺碧」「紺一点」の続編。「鳩の栖」の収録作品は何となくどれも昭和初期から戦前のイメージで読んでいたので、この本の冒頭でいきなり「インターネット」という単語が出てきて面食らいました(笑)。この本は「鳩の栖」を先に読んでいないと、真木がどうしてこんなキャラなのか読んでる人に伝わり難いかなと思いました。前作では浦里はとても儚げに見えたのだけど、今作ではジャニーズの可愛い系の子のようなあざとさ(?)を感じてしまった(笑)。いや、いいのよ可愛くて。そのままでいてくれれば。2016/09/19
coco夏ko10角
20
「鳩の栖」に収録されている「紺碧」と「紺一点」の続編。うーん、じれったいというかヤキモキするというか。背中蹴っ飛ばしたくなる(でも誰のを蹴ればいいのやら)けど、いやいや、この速度がいいんだよな……。最後はそこで終わってしまうのか~、続きが欲しいなぁ。2014/03/25
恋愛爆弾
15
これが書けたら楽しいだろうな、書いているあいだめちゃくちゃ辛いだろうけど楽しいだろうと思いました。長野まゆみは歴史からいったい何を引き受けているのかと考えるような感動でした。2023/09/03
冬見
15
「紺極まる」 これぞ長野まゆみ。決して手に入らないものを希み続ける頑なな少年と心を通わせようとする予備校教師。ふたりの同居生活。相手を煙に巻くのが上手い両刀の兄と、想い合っているけれど怯えて手に入れることを諦めてしまった友人と。真木と川野の距離感が良い。図々しさと鈍感さの加減が絶妙。真木と川野じゃなかったらこうならなかった。このふたりじゃなかったら物語は動かなかっただろう。幕切れもとても好み。こんな終わり方だって、このふたりじゃなかったらなかった。2019/01/20