内容説明
日本の社交の粋を集めた京都・祗園甲部。そのナンバーワン芸妓だった著者が、祗園で培った品格あるもてなしの術、お座敷から見える一流の人の共通点、トップの方々から耳学問で得た生き方のヒントなどなどを、ありのままに明かす。「扇子一本で分けるもてなしの一線」「幸せも不幸せも運ぶお金の扱い方」「一生分の冷や汗をかいた一世一代の大失敗」…。アメリカをはじめ世界が注目!祗園の真実、大ベストセラー待望の文庫化。
目次
第1章 お座敷で知った一流になる人の共通点
第2章 祗園で通じる一流の人のお金の使い方
第3章 祇園で出会った一流の生き方、考え方
第4章 人の心を引きつけるプロの接待術
第5章 座を盛りあげるための芸妓の会話術
第6章 常にお客様に気を配る芸妓の仕事術
第7章 ツーカーでわかる祗園のチームワーク
第8章 祗園がくれた思い出
著者等紹介
岩崎峰子[イワサキミネコ]
1949年、京都府に生まれる。四歳のときに京都祗園甲部の芸妓置屋「岩崎」の女将に見初められ、五歳から祗園甲部に住む。十歳で岩崎の跡取りになり、十五歳で舞妓デビュー、二十一歳で襟替えをして芸妓になる。1966年から1971年まで、売り上げナンバーワンとして人気を博す。二十九歳で現役を引退。1982年、日本画家・岩崎甚一喨と結婚。現在名、岩崎究香(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドナルド@灯れ松明の火
14
祇園甲部の売れっ子舞妓→芸妓だった岩崎峰子が祇園のしきたりや、舞妓・芸妓時代に経験して得た話のあれこれが書かれており大変興味深く読んだ。自分を律し、芸妓組合の改善を提案し、海外にも正しい情報を伝えるという姿勢に女性の品格が感じられる。一方作中で触れられる「水揚げ」という言葉に未だに世間の誤解があることや舞妓芸妓は中卒資格しかない事は初めて知ってびっくりした。サブタイトルにある「昇る人、昇りきらずに終わる人」の通りお茶屋での男性の振る舞いを見続けてきた彼女だからこそ書けた男性への一流の処世訓でもあった。2012/08/10
しげ
9
京都祇園の花柳界なんて、あまりに自分の生きている場所とかけ離れすぎていて、こうして本になっていなければ、おそらく一生、どんな場所なのかを知る機会もなかっただろうと思います。貴重な読書体験でした。祇園を訪れるお客さんは、まさに各界のトップ揃いで、勝者の孤独の中で戦っている人も多いそう。そんなお客さんに対して「花柳界は人間のごもく入れ」と自負し、胸にたまったものを捨て、また明日から仕事に戻る鋭気を養ってほしいと願い、ハイレベルなおもてなしをするお姐さん、裏方さんたちの誇り高さにほれぼれしました。2013/11/11
saisan
3
祇園の世界もチームワークで回っているということが興味深かった。祇園の世界が私たち日本人でもきちんと認識していないのがもったいない。吉原に近いイメージをもたれているし。日本の伝統文化として私もきちんと知っておきたい。一般の人にとって別世界ではあるけれど、外国の人に話せるくらいの知識は持っておきたい。10代から芸の世界で生きると決めるのには並大抵の覚悟では足りないはず。きちんとその仕組みを理解し映画などにしたら面白そう。2014/06/26
motto2
2
花柳界のことを誤解してました。仕事に対する姿勢、チームワークなど、勉強になることがたくさんありました。2009/02/15
猫柳
1
再読。 時間に追われる接客業で、淡々と仕事をこなす自分に気付いたときに手に取る本です。2015/04/10